2015年9月30日に発売された「オルタナ42号」の全記事サマリーをお届けします。第一特集「報告:米グリーンネイバーフッド」ほか、オルタナティブでサステナブルな価値観の記事が満載です。本誌は全国の書店で販売しているほか、アマゾンでの購入や、富士山マガジンサービスから定期購読することもできます。
◆ソーシャルデザインギャラリー
ネパールに募る、先の見えない不安
2015年4月ネパールでM7.8の地震が発生した。政府による復興作業は行われているものの、死者8700人以上と被害規模は大きく、東西に長い範囲で被災していることが復興が進みにくくしている。そんなネパールの現状をカメラに収めた。
◆オルタナ魂
グリーン経営者フォーラム、第二期へ
「グリーン」な価値観を経営に導入する企業の集まりであるグリーン経営者フォーラム。一般社団法人化してから1年が経過した。第2期に入るにあたって個人会員制度を設け、より強いネットワークづくりを目指す。
◆世界のソーシャルビジネス(ドイツ)
ゴミを発生させない「量り売り」の店舗
ドイツ北部のキール市にある食料品店を紹介。量り売り販売で個別包装を止め、プラスチック廃棄と食べ残しの削減に努める。店主のデラペリエールさんは運営のほか、講演や官公庁との共同プロジェクトで食品・包装業界へ働きかける。
◆世界のソーシャルビジネス(米国)
TシャツでNPOの資金調達を
デザインTシャツの販売とNPOの資金調達を組み合わせたのが米企業ブースターだ。同社のサイトを通じて常に6000以上のファンドレイジングキャンペーンが立ち上がっており、Tシャツの購入がNPOへの支援となる。Tシャツには団体のメッセージも書かれており、資金集めだけでなく口コミという販促ツールにもつながる一石二鳥の仕掛けだ。
◆世界のソーシャルビジネス(日本)
弱視でも使いやすい白黒反転手帳
横浜市の企業アーチャレジーは、白黒反転の手帳を開発した。弱視など視覚障がいを持つ人も使いやすいデザインにするため、髪色のほか、文字のバランスなどこだわった。
◆第一特集 報告:米グリーン・ネイバーフッド
持続可能な街づくり
いま、米国ポートランドやシアトルが新しい街づくりのモデルケースとして世界中から注目が集まっている。環境やソーシャルな視点を街づくりに導入し、「グリーン・ネイバーフッド」とも呼べる新しい思想が、街のさまざまな機能に反映される。現地を視察し、その最前線を追った。
◆「未来に選ばれる会社」とは
企業にとって最大の使命である「永続化」のためには、社会全体から支持されることが必要だ。『未来に選ばれる会社』では、社会満足度を高めるためのソーシャルブランディングを20以上の実例とともに解説する。オルタナ創刊以来8年にわたる集大成でもある本書の内容を一部紹介。
◆オルタナパーソン・黒川光博(虎屋社長)
人を大切にして500年、現代に生きる「掟書」
室町後期に創業し、約500年の歴史を持つ虎屋。「おいしい和菓子」を第一に経営を続けて来た。「企業は人で成り立っている」人を大切にするのは基本」と語る虎屋17代当主・黒川光博社長に経営哲学を聞いた。のは「人を大切にする」
◆オルタナティブ経営論
日本型経営において「社員教育」とは何か?
日本型経営における「社員教育」を欧米の人材に対する考え方と比較して解説。欧米のように労働力を商品としてとらえるのではなく、社員の人生のために能力を育てて来た。社員個人の能力が高まれば、企業の生産性も高まる。このような教育思想が日本経営を支えて来た側面がある。
◆エゴからエコへ
謎のインドネシア
先日、インドネシア・ジャワ島で開催された「ジャパン・ウィーク」というイベントに岩手県の早池峰神楽が登場。インドネシアは遠くて謎の国だ。市内には馬車が走り、ヒンドゥー教とイスラム教など対立する宗教が共存する。
◆日本農業常識と非常識の間
東京五輪と食材選定基準
近年五輪の開催時には、選手村で使われる食材の選定基準も課題となっている。資源の持続可能性や、環境配慮、有機農産物であるかなどに注意が必要だ。東京五輪では、今まで以上に質の高い実現が求められそうだが、MSCやFSC認証を受けた商品は国内にほとんどない。
◆「森を守れ」が森を殺す
奈良県がスイス林業を取り入れる理由
欧州の林業というとドイツが有名だが、奈良県はスイス林業を取り入れていく方針だ。急峻で小規模な林業を展開するスイスは、日本とシンクロする部分が多い。現地のフォレスターを招いた研修を開き、人材育成を狙う。画一的施策から脱却し、臨機応変に多様な樹種や樹齢の木を育てることが期待されている。
◆人と魚の明日のために
ウナギの危機は変わらない
ニホンウナギが絶滅危惧種に認定されてから1年が経った。水産庁が漁獲枠を設定したものの、ウナギの危機は変わらないのが現状だ。シラスウナギの密猟を規制しておらず、漁獲量制限では効果がないことが証明された。バイカラウナギが準絶滅危惧種に格上げされる一方、池入れ量などの規制は今季と同量にする方針。薄利多売ビジネスも前年のままで、何も変わっていない。
◆オルタナティブな空間
15年目の越後妻有アートトリエンナーレ
新潟県の越後妻有地区は3年に1度芸術の聖地になる。十日町市、摂南市で行われるアートトリエンナーレは、今年15年目を迎えた。土地のあちこちにエッジの利いた現代アートが点在し、開始当初は違和感も大きかったに違いない。15年目となった今では、地元の人々の日常に溶け込み、これをきっかけに半移住する人も現れ始めた。都会と田舎をつなぐ一つの例となるだろう。
◆欧州CSR最前線
持続可能な「砂糖」の調達
持続可能なお砂糖の調達が、今英国で議論となっている。人口増加や気候・生態系の変化を受けたもので、拡大する需要を満たすため水や土地の競争が高まる懸念がある。サプライチェーン内での人権問題や環境上の問題など、持続可能な調達が一層求められている。
◆オルタナSな若者たち
紛争地域の学生が日本で交流
日本・イスラエル・パレスチナ学生会議は、イスラエルとパレスチナの両地域から大学生を日本に呼び、「紛争」を軸にさまざまなテーマでディスカッションを行う。対話こそが平和への道だとして、相互理解を深め、エンパワーメントを目指す。
◆KIYOの哲学
あったかいスープで水分と塩分補給
秋口にスープが飲みたくなるのは、身体が水分を蓄えようとして、塩分と水分を求めるためだ。冬は乾燥するため、夏以上に水分を体外に排出している。秋めいてきた今の季節にぴったりの「鶏手羽と大根のスープ」を紹介。
◆エコでヘルシーな食空間
次世代につながる店と人づくり
レストラン「ティア」は、今と比べオーガニックの認知度が低かった1997年にオープンした。3世代がテーブルを囲めるような、生産者らが愛食している家庭料理が並ぶ。虫食いや規格外など出荷しにくい野菜を積極的に引き取り、同じ素材を使いつつも飽きの来ない料理に挑戦する。
◆エシカルファッションの騎手たち
幼少期から日本の伝統に触れる
日本の伝統工芸を次世代につなげるため、赤ちゃんや子どもたち向けの商品を展開するのが「0から6歳の伝統ブランド aeru」だ。すべての商品をオリジナルで開発し、子どもにも扱いやすいデザインにこだわる。
◆間違いだらけの自転車選び
最初の一台だからこそ一生乗れるスポーツバイクを
スポーツバイクが脚光を浴びている。生活自転車とは一線を画した、早く遠くまで走れるスポーツバイクの紹介コラムを開始。第1回では、初心者に向けたスポーツバイクの概要と、初めての1台を購入する際注意すべきポイントを解説した。
◆世界のエコホテル巡礼
ハーブの後納を高め、古都から原始の森へ
スリランカの古都キャンディの山中に、リゾートだけで30万平方メートルもの敷地を利用した、本場のアーユルヴェーダを提供するリゾート「トゥリーオブライフ・ネイチャーリゾート」がある。1995年のリゾート開業時以来、本格的なアーユルヴェーダ施設「シトゥブリ・アーユルヴェーダセンター」も設置。数日間の滞在により、健康と健康美を目指すとともに、リゾートとしても快適な自然派志向を貫いている。
◆オルタナセレクト
行楽の秋に、アクティブになれるアイテム
夏の暑さがようやく収まり、気付くと行楽シーズンだ。秋のお出かけを彩ってくれる華やかなアイテムを集めた。読者プレゼントも。
◆「こころざし」の譜
「囚われの村」からの遺言
瀬戸内海に小さな島がある。忘れられたような閉じた島。春は島影がおぼろげに揺れ、稲津には光の束がきらきらと海の面に跳ねる。今頃の冬の季節は療養所の中を流れる同様のメロディーが重く胸に迫ってきて切ない。