近畿大学が丑の日に限定200食のナマズ重とナマズ蒲焼を販売する。絶滅が危ぶまれるウナギの代わりに、同大学が開発した「うなぎ味のナマズ」を使う。(オルタナ編集委員=瀬戸内千代)
土用丑の日を中心とした近年の大量消費により、最も食味が良いとされるニホンウナギは激減。代用で輸入されたヨーロッパウナギも減り、いずれも絶滅危惧種となった。
2010年に日本はウナギの完全養殖に成功しているが、近畿大学の有路昌彦教授は「需要を満たすには10年かかる」と推測。「その前にウナギ関連業者が衰退してしまう。ウナギもどきで代替できれば、産業を残せる」と開発の背景を語った。
一般的なナマズは脂質を約5%しか含まないが、有路教授らは餌と水質の工夫で臭みを消し、脂質も15%以上に向上させ、うなぎ味に近付けた。過去の試食会では、8割以上の客が「おいしい」と答えたという。
丑の日の7月30日には、養殖魚専門料理店「近畿大学水産研究所」の大阪店と銀座店で、ランチにナマズ重、ディナーにナマズ蒲焼を、それぞれ税込2200円で50食ずつ販売。今は供給量が足りないが、目標は「ニホンウナギの半額以下」での普及だという。