築地市場の豊洲移転を巡っては、土壌汚染対策として「あるはずだった盛り土」が無かったことで、紛糾の度合いが一気に高まった。メディアは石原慎太郎・元都知事や元市場長らに矛先を向け始めたが、そもそも土壌を汚染した東京ガスの責任を問うメディアは意外に少ない。(オルタナ編集長・森 摂)
同社は、汚染対策工事費用100億円と追加の78億円を東京都に支払い、これで決着を付けたようだ。しかし、こうした「経済的責任」以前の「法的責任」、そして「社会的責任」に対して同社はどう向き合ってきたのだろうか。
そう考えていた最中に、一般社団法人環境金融研究機構(RIEF)の藤井良広・代表理事(元日本経済新聞編集委員、元上智大学大学院教授)が9月18日、「東京都・豊洲市場 土壌汚染問題。汚染地を売却した東京ガスの責任はどうなのか?」と題した記事をRIEFのサイトにアップした。
藤井氏は次のように記事をまとめた。「長年にわたって土壌汚染を積み重ねてきたのが東ガスであることは否定できない事実である。少なくとも企業の社会的責任(CSR)の観点からの対応責任は今も、東ガスにもあるとみるべきだろう。しかし、東ガス自体は、今回の問題再燃に対して、臆病なほど発言を控えているようにみえる」
確かにメディアで連日、豊洲の問題が取り上げられているにも関わらず、同社が改めて土壌汚染問題で説明したという話は聞かない。都庁関係者や市場関係者が大混乱になる中で、汚染源の発生者としての社会的責任は改めて問われないのだろうか。
インフラ整備として東京ガスは無くてはならないリーダー企業である。行政か”すべきことを代わって行う所謂補助金行政を操る、不透明な企業でもある。地方では東京ガスの権利乱用に振りまわされています。この官民一体型を壊滅させなければ豊洲問題は解決しません。