大手電力、法人営業で「不当廉売」まがい大幅値引き

2016年4月の電力小売り自由化を機に、新電力(PPS)各社が一般家庭向け電力だけでなく法人顧客にも攻勢をかけるなか、東電や関電など大手電力が大幅値下げで対抗する事例が増えてきた。中にはPPSの仕入れ価格を下回る値下げ提案もあり、PPSからは「不当廉売ではないか」との悲鳴が上がっている。(オルタナ編集部)

昨春の電力自由化は一般家庭が対象だったが、2012年の再生可能エネルギー全量買い取り制度(FIT)導入などを機に新規参入するPPSが増え、一般家庭だけでなく法人顧客の争奪戦が各地で激化している。

そんな中、大手電力会社が「大幅値引き」価格を提示し、法人顧客を引き留めようとする事例が増えた。

例えば、ある大手コンビニの200店舗への電力供給事案では当初、PPS各社が大手電力会社の従来契約から3%安い値段を提示したところ、大手電力は自社の従来価格から6%も安い価格を提示してきたという。

PPS各社は、卸売り市場や発電事業者から電力を調達し、大手電力会社に託送料金を支払ったうえで、一般家庭や法人顧客に電力を販売している。託送料金込みの仕入れ価格は1KW当たり16円前後だ。これに粗利を乗せて従量単価を同18円前後で小売りしないとビジネスとして成り立たない。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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