企業と社会フォーラム(JFBS)第7回年次大会
サステナブル・エンタープライズ:企業の持続性と社会性
学会「企業と社会フォーラム」(JFBS)は、2017年9月7~8日、「サステナブル・エンタープライズ:企業の持続性と社会性」を統一テーマとする第7回年次大会を早稲田大学で開催します。本大会はフンボルト大学国際CSRカンファレンス(HU CSR)との共催による国際ジョイント・カンファレンスです。
■大会テーマの趣旨
近年、地域社会、地球社会の持続可能な発展に貢献するビジネスのスタイルが問われています。責任あるビジネス、ソーシャルあるいはサステナブルなエンタープライズを巡って、国内外でさまざまな取り組みが進められています。
ステイクホルダーに配慮する意識の高い企業(conscious company)について、多くの論者が議論しています。アメリカではここ数年、株主利益のみならず、環境や地域社会、従業員などステイクホルダーの利益を重視していこうとするB-corporationの認証システムやいくつかの州ではBenefit Corporationという新しい法人形態、ドイツでも「gGmbH」といった法人形態が導入されています。
そこでは、ビジネスの成功とは何か、社会的なインパクトを与えるビジネスのスタイルについて根源的な問いかけがなされています。
日本ではそういった法人制度はありませんが、企業の持続性という観点からみれば、数百年以上にわたって存続し、地域社会から愛され、支持されてきた長寿企業が数多く存在しています。こうした長寿企業における知見(wisdom)は、どのようにして積み重ねられてきたのか、そしていかに持続可能な競争優位を構築することができたのかについて改めて考えることは重要です。
また地域社会における経済を支えてきた企業の多くは、ファミリービジネスです。日本には数多くのファミリービジネスが存在しており、そこでは世代を超えて持続可能な経営を実現してきた数多くの知見がみられます。
これら長寿企業やファミリービジネスをサステナビリティやステイクホルダーとの関係性といった視点で検討することは、持続可能な企業や良い企業を考える上で、きわめて重要な意味を持っていると考えられます。
一方、既存の大企業においても、持続可能な発展にビジネスの力を通して貢献する取り組みが様々になされ、成果を上げてきています。
そこで第7回年次大会では、持続可能な企業のあり方というテーマで、これまでの伝統的な企業観を問い直し、企業と社会にかかわるさまざまな問題と課題について理論的、実務的に議論していきます。
<関係テーマ>
サステナブル・エンタープライズ、新しい企業システム・ビジネスモデル、長寿企業、ファミリービジネス、企業理念、統治スタイル、ソーシャルビジネス、ステイクホルダー経営、共有価値の創出 など
■主なプログラム
キーノートスピーカーには、企業のサステナビリティ研究において著名なJeremy Moonコペンハーゲン・ビジネススクール教授、および創業以来約350年間日本酒の製造・販売を行っている寺田本家代表取締役寺田優氏をお迎えし、ご講演いただきます。
続いて行われるテーマ別企画セッションでは、「長寿企業から学ぶ「企業」像」、「サステナビリティと地域金融のあり方」、「ソーシャルビジネスの組織戦略」、「サステナブル・ビジネスモデルの構築」をテーマとして報告・議論を行います。
本学会では、国内外から参加される研究者・実務家のみなさまが学界、産業界、行政、NPO/NGOなどのセクターを越えてネットワークを拡充していけるよう、交流の場も大切にしています。1日目(9月7日)夕刻には立食形式の交流会、2日目(9月8日)大会終了時にはフェアウエルドリンクという形で交流機会をご用意しているほか、2日間の会期中コーヒーブレイクを随所に設けています。
隔年で開催される国際ジョイント・カンファレンスは、回を重ねるごとに海外研究者・実務家の参加・報告が増えており、国内外の最新の議論動向に関する情報収集や関係者間のネットワーク構築の場としてご活用いただけます。
本大会への参加申し込み受付が始まっています。8月8日まではEarly Bird(早割期間)となっておりますので、詳細はJFBSホームページをご参照下さい。関心をお持ちの研究者・実務家の方々による積極的なご参画をお待ちしております。
詳しくは⇒ 企業と社会フォーラム(JFBS)第7回年次大会