東京商工会議所は10月26日、「eco検定アワード2018」表彰式を開催した。同アワードは積極的に環境活動に取り組むエコピープル(eco検定合格者)やエコユニットの活動を顕彰することで、環境への取り組みを広げることを目的にしている。エコピープル(個人)部門は吉野榮一さん、エコユニット(法人)部門はノーリツがそれぞれ大賞を受賞した。(オルタナ編集部)
大賞を受賞したノーリツは、「新しい幸せを、わかすこと。」をミッションに掲げる。同社管理本部総務部環境推進グループリーダーの津田かおるさんは「ガス機器メーカーは、CO2の排出量など環境に対する責任が大きい。だからこそ、環境活動に積極的に取り組んできた」と話す。もともと営業部からeco検定を営業に生かしたいという声が上がり、社内浸透が進んできたという。いまでは社員のeco検定取得率は61.4%に上る。
優秀賞の高崎経済大学地域政策部は、ビオトープを活用し、五感を使ったネイチャーゲームを開発。より良い環境教育のあり方を模索し続けている。同じく優秀賞で、子ども服の企画・製造・販売を行うブランシェスは、東日本大震災復興活動にも力を入れ、岩手県大槌町で子ども服のハギレを使った「壁掛けクリスマスツリー」を作るワークショップを開催した。
エコピープル部門で大賞を受賞した吉野さんは、東洋ガラスで環境活動をけん引してきた。多様な主体と連携し、環境出前授業を11回実施。優秀賞の特定非営利活動法人e-plus生涯学習研究所代表理事の小林由紀子さんは、水辺共生体験館などで、水環境学習のプログラムを提供している。
同じく優秀賞の渋谷誠さんは環境映画上映会やエコピープル自然観察会、子ども向けのエコピープル勉強会を精力的に開催してきた。林昌明さんは自宅をエコ2世帯住宅に建て替えた。節水シャワー、建材として吉野産赤杉フローリングを採用するなど、こだわりのエコハウスを実現した。
同時に「eco-MASTER GRAND PRIX2018」表彰式も開催された。3人1組で受験し、eco検定試験の合計点数を競うもので、企業部門はJTCSR推進部ふかふかっぴー地球環境T(290点)、学生部門は高崎経済大学飯島ゼミナール「桜と雪の妖精」(284点)がそれぞれ1位を獲得した。
記念講演「SDGsへの企業の対応と今後の課題」で大東文化大学社会学部の鶴田佳史准教授は、「SDGs(持続可能な開発目標)は社会を変革するためのもの。SDGsに取り組んでいれば、ESG情報の開示にも役立つ」と話した。
◆「eco検定アワード2018」受賞者一覧
【エコユニット部門】
大賞
株式会社ノーリツ(兵庫県)
優秀賞
高崎経済大学 地域政策学部 (群馬県)
ブランシェス 株式会社 (大阪府)
奨励賞
岐阜大学 (岐阜県)
山陽製紙 株式会社 (大阪府)
清和綜合建物 株式会社 (東京都)
【エコピープル部門】
大賞
吉野榮一氏(東洋ガラス株式会社)
優秀賞
小林由紀子氏 (特定非営利活動法人e-plus生涯学習研究所)
渋谷誠氏(練馬区生涯学習団体)
林昌明氏(前田建設工業株式会社)
奨励賞
上野山友之氏(和歌山県有田川町役場)
藤本雅彦氏(兵庫県加古川市役所)
◆「eco-MASTER GRAND PRIX2018」トップ10
1位 JT CSR推進部/ふかふかっぴー地球環境T/290点
2位 高崎経済大学 飯島ゼミナール/桜と雪の妖精/284点
3位 住友林業株式会社/JoooSYS/283点
4位 東京海上日動ファシリティーズ株式会社/チームCSR/280点
5位 岐阜大学/GU_eco検定に挑戦_グループ1/277点
6位 阿南工業高等専門学校/act3Z/275点
7位 高崎経済大学 飯島ゼミナール/ODA/275点
8位 高崎経済大学 飯島ゼミナール/クロぽんず 274点
9位 新東工業株式会社/妻に忖度/274点
10位 ドコモ・サポート株式会社/あんしんをお届けしちゃうケー補チーム/273点