今号の表紙
米良 はるか
2012年慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科修了。2011年3月日本初のクラウドファンディングReadyforを立ち上げ。World Economic Forumグローバルシェイパーズ2011に選出され、日本人最年少でダボス会議に参加。_撮影:廣瀬 真也(spread)【誌面ではスペシャルインタビュー「思いを乗せたお金を届ける」を掲載】
feature story 1
SDGsウォッシュ、回避への9行動
SDGs(持続可能な開発目標)が2015年に国連で採択されて3年が経った。今や多くの政治家や官僚、企業幹部が胸にSDGsのバッジを着けている。だが、政府も企業も、そのバッジにふさわしい行動をしているか。「SDGsウォッシュ(取り組んでいるフリをすること)」と言われないための、必要な行動を9つ掲げた。
9つの必要な行動(本誌まとめ)
①気候変動/タラノア対話への参加を
②カーボンプライシングへの備えを
③「フードロス」削減の取り組みを
④持続可能な「天然ゴム」調達を
⑤持続可能な「パーム油」調達を
⑥RE100/自然エネルギーの導入を
⑦「脱・使い捨てプラスチック」を
⑧サーキュラーエコノミーへの備えを
⑨外国人労働者の適切な雇用を
[タラノア対話] パリ協定の重要要素
パリ協定採択時に実施が決定していた「タラノア対話」。世界の気温上昇を抑制し、削減目標強化の「切り札」として役割を期待されている。しかし、「タラノア対話」の認知度は上昇したが、内容についての理解度はまだ低い。タラノア対話の役割とCOPとの関連性を解説する。
WWFジャパン気候変動・エネルギーグループ・グループ長=山岸 尚之
[カーボンプライシング] 「社内版」、わずか47社
カーボンプライシングとグリーンボンドにおける施策の強化やルール作りの議論が活発化している。カーボンプライシングは、二酸化炭素(CO2)排出コストを経済に組み込む仕組み。グリーンボンドは、環境関連事業の資金調達のために発行する債券のことだ。
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)事務局長=足立 治郎
[フードロス] リデュースが不十分
世界の環境配慮のキーワードは3R(スリーアール)。食品(フード)ロス削減に言及する食品リサイクル法でも、3Rの最優先のリデュース(廃棄物の発生抑制)を中心に基本方針を決めている。しかし、メディアも世間も、リユース(再利用)やリサイクル(再生利用)に過剰に傾きがちだ。
office 3.11 代表取締役/食品ロス問題専門家=井出 留美
[天然ゴム] 持続可能性問われる
持続可能な天然ゴムのための新たなグローバルプラットフォーム「GPSNR」が10月に発表された。WBCSD傘下で世界的なタイヤメーカー11社で構成されるTIPが発表したもので、天然ゴムの生産や利用が、より環境や社会に配慮した方法で行われることを目指す。
WWFFジャパン自然保護室森林グループ=古澤 千明
[パーム油] 消費者の認知、不十分
6月に持続可能なパーム油のための調達コードが、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会から公表された。世界で最も消費量の多い植物油脂であるパーム油の環境面・社会面が考慮されるのは東京大会が史上初めてとなる。企業も2020年に向けて動き出した。
グリーン購入ネットワーク事務局=金子 貴代
[RE100] 非化石証書にも課題
世界中の企業が自然エネルギーの利用拡大に懸命だ。自然エネルギーを利用して気候変動に取り組まないと、投資家や取引先から敬遠される時代になった。しかし日本では自然エネルギーの電力が限られている。そこで「非化石証書」に注目が集まるが、課題も多い。
自然エネルギー財団自然エネルギービジネスグループマネージャー=石田 雅也
[脱プラスチック] 生分解性プラに期待
世界でプラスチック利用を見直す動きが加速している。少しでも環境負荷の少ないものを選びたい企業にとって、認証や規格は大切な指標だ。国際標準化機構(ISO)では今、生分解性プラスチックの規格新設や改訂が急速に進んでいる。
海洋ジャーナリスト=瀬戸内 千代
[サーキュラーエコノミー] 欧州が先行、政策強化
地球には限界があることを考えずにこのまま資源を使い続けると資源は枯渇する。サーキュラーエコノミーは、経済システムや社会全体の仕組みを変えるという大局的見地からの根本的な変革を求め、達成するにはパラダイムシフトが必要とされる。
サステイナビジョン代表取締役/ASSC代表理事=下田屋 毅
[外国人労働者] 下請け構造の直視を
人手不足解消に向け外国人労働者受け入れ拡大が議論されている。しかし、「奴隷制度」と国際的批判が高まる技能実習制度を存続したまま適切な受け入れができるのか。産業界は、背景にあるコスト削減など下請け問題解決に協働して取り組めるかが問われている。
The Global Alliance for Sustainable Supply Chain:ASSC理事=和田 征樹
feature story 2
「サステナブルの先を行く」
英LUSHのリジェネレーション戦略
英国発化粧品ブランドのLUSH(ラッシュ)は2018年9月23─24日、英マンチェスターで「ラッシュ・ショーケース2018」を開催した。世界49カ国からショップマネージャーや社員、顧客らのべ1万人以上が一堂に会す同社最大のイベントだ。「リジェネレーション」(regeneration:再生可能性)を打ち出す同社のサステナビリティ戦略に迫った。
alterna person
「地域と事業の未来、SDGsで創る」
本田 英一(日本生活協同組合連合会・代表理事会長)
総組合員数2873万人の全国の生協が加盟する日本生活協同組合連合会(日本生協連)が2018年6月、「コープSDGs(持続可能な開発目標)行動宣言」を発表した。なぜ今、SDGsに取り組むのか。本田英一日本生協連代表理事会長は「その背景には、事業を通じて社会課題の解決を目指すという生協のパーパス(存在意義)がある」という。
2 Social Design Gallery
ゴミ山に生きる移民たち
5 special interview
米良 はるか(READYFOR創設者)
思いを乗せたお金を届ける
8 art
高橋さとみの切り絵ワールド──呼吸する森
9 column
オルタナ魂 森 摂
サステナビリティの知見はNGOに
social business around the world
10 [欧州編/フランス]難民の母国料理をケータリングで
11 [欧州編/デンマーク]発光する藻類で青く光るエコランプ
12 [アジア編/日本]消滅可能性都市から日本一住みたいまちへ
14 feature story 1
26 alterna person
30 report
環境省のSDGsアウトサイドイン・ビジネスラボ「ウィルラボ」
事業で環境課題解決へ
32 feature story 2
columns
37 オルタナティブの風 田坂 広志
最先端科学が育む宗教的情操
39 エゴからエコへ 田口 ランディ
生ゴミか資源か
agriculture
40 農業トピックス 西村 ユタカ
41 日本農業 「常識」と「非常識」の間 徳江 倫明
英国で感じた「ローカリズム」の息吹
forestry
42 林業トピックス 編集部
43 「森を守れ」が森を殺す 田中 淳夫
「熱のFIT」で里山の保全を
fishery
44 漁業トピックス 瀬戸内 千代
45 人と魚の明日のために 井田 徹治
違法漁業の巨大な損害、対策が急務
fair trade
46 フェアトレードトピックス 中島 佳織
47 フェアトレードシフト 中島 佳織
下落するコーヒー相場、農家が悲鳴
fundraising
48 ファンドレイジングトピックス 宮下 真美
49 社会イノベーションとお金の新しい関係 鵜尾 雅隆
人生を幸せにする意外な秘けつ
circular economy
50 廃棄物・静脈物流トピックス エコスタッフ・ジャパン
51 論考・サーキュラーエコノミー 細田 衛士
焼却処理は循環経済に逆行するか
52 オルタナティブな空間 馬場 正尊
「公共空間」を舞台にした官民逆転の発想
55 欧州CSR最前線 下田屋 毅
企業の情報開示の意味
56 CSRトピックス CSR48
alterna S presents
58 オルタナSな若者たち
本田圭佑の社会貢献支える
60 KIYOの哲学 考察編 南 清貴
「超加工食品」に潜む健康リスク
61 エコでヘルシーな食空間 岡村 貴子
韓国の薬膳・発酵食を親しめる店
62 エシカル・ファッションの旗手たち 生駒 芳子
エシカルを広めるアプリを開発
64 世界のエコホテル巡礼 せきねきょうこ
アルプスを一望、スイスのエコホテル
66 間違いだらけの自転車選び 山本 修二
米国から冒険自転車、普段乗りにも
alterna SELECT
67 もう「ムダ」は生まない、アップサイクル
CSR executive forum
68 CSR関東 CSR九州
72 読者の声&プレゼント
flash fiction
74 「こころざし」の譜 希代 準郎
ホームレス歌人
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