NPO法人環境市民など全国39の市民団体は3月19日、共同で調査した第3回「企業のエシカル通信簿」(2018年度)を発表した。調査対象は家電メーカー5社、外食産業5社の合計10社。このうち合計点が最も高かったのはパナソニック(36点)で、最も低かったのはコロワイドグループ(7点=最低点)だった。(オルタナ編集長=森 摂)
この調査は「消費から持続可能な社会をつくる市民ネットワーク」と環境市民の主催で、2016年度に始まった。企業のCSR活動、環境活動などを市民・NPO目線で調査している。SDGs(持続可能な開発目標)の視点も加味した。
第3回「企業のエシカル通信簿」の調査対象は家電メーカー5社(シャープ、ソニー、パナソニック、三菱電機、日立アプライアンス)、外食チェーン5社(コロワイドグループ、すかいらーくグループ、ゼンショーHD、日本マクドナルド、吉野家HD)の合計10社だった。
「持続可能な開発(社会)」「環境」「消費者」「人権・労働」「社会・社会貢献」「平和・非暴力」「アニマルウェルフェア(動物福祉)」の7つの大項目について、企業がウェブサイトなどで開示する情報に基づき、評価した。その結果は企業に送り、回答があった場合には内容についてやり取りし、調査に反映した。
レイティングは10段階とし、100点満点で10点ごとに区切り、1~10点で表した。7分野で満点は70点、最低点は7点になる仕組みだ。
その結果、家電メーカー5社の「エシカル通信簿」はすべて30点以上と総じて高得点だったのに対し、外食産業は7~26点と、低さが目立った。コロワイドグループは7つの大項目すべてにおいて最低の1点だった。日本マクドナルドは外食産業の中ではトップだったが、それでも家電メーカー最下位のシャープより点数は下回った。
家電メーカーの点数が比較的高かったのは、EUのRoHS(ローズ)指令などのCSR調達規制、紛争鉱物にまつわる米国法規制といった社会的な圧力が大きかったのが背景とみられる。一方、外食産業においては、こうした社会的な圧力や消費者の関心が弱いほか、経営者の社会的意識も低く、CSR取り組みや情報開示が遅れているようだ。