G20首脳会議の公式付属会議として30歳以下の各国代表ユースが開催する「Y20 SUMMIT 2019 JAPAN」が5月26日、立教大学で開かれた。ユースが協議した成果を共同宣言文としてまとめ、G20に提出する形式で政策提言を行う。(オルタナ副編集長=吉田広子)
Y20 SUMMITは、開催国政府主催または後援のもと、年に一度開催される国際会議だ。初日の5月26日は、オープニングイベントのほか、「国際貿易」「ビジネスと環境」「未来の働き方」といったテーマのワークショップも開かれ、約1000人が参加した。
独浄水器メーカーのブリタ・ジャパンは、海洋プラスチック問題をテーマにしたワークショップを開催。日本をはじめ、英国、オーストラリア、インド、メキシコ、サウジアラビアなど各国から25人が参加した。
ブリタは「水の飲み方を持続可能にする」をミッションに掲げ、ソリューションの一つとして、浄水器付きマイボトル「fill&go」(フィル&ゴー)を紹介した。社内では、ペットボトルの持ち込みを禁止しているという。
登壇した土屋麻美シニアブランドマネージャーは、「日本にはコンビニや自動販売機が多く、大量のペットボトルが使い捨てされている。一部は川から海へと流れ込んでいる。使い捨てプラスチックは便利な一方で、本当に心地良い環境になっているのだろうか」と問いかけた。
ワークショップでは、「ビジネスと環境」をテーマに、気候変動問題やプラスチック問題などについてグループごとに議論した。各国の参加者からは「危機意識の欠如が問題ではないのか」「英国では使い捨てプラスチックの販売を禁止するなど、政府が主導している。日本にはどのような政策があるのか」といった疑問を投げかける。
あるグループからは「ペットボトルや食品包装、文房具などすべてのものにプラスチックが使われている。プラスチックの代替素材や教育も重要。『ノー・プラスチック・デー』を設定してはどうか」との提案もされた。「G20加盟国は、プラスチック問題を解決するためにパートナーシップを結び、SNSを利用しながら若い世代を巻き込むべき」といった意見も出された。
ブリタ・ジャパンのマイケル・マギー社長は「若い世代が熱心に議論する様子に感銘を受けた。小さくても一つひとつの行動が社会を変えていく。それらのコレクティブ(集合的)・インパクトが重要。あなたたちの行動が、社会の変化を生み出していく」とエールを送った。