アディダスジャパンは6月5日、不要になった服やシューズなどを店舗で回収し、新たな衣類や素材に再生する「テイクバック・プログラム」を始めると発表した。回収・分別からリサイクル・再製品化への循環を消費者と共有することで、サーキュラーエコノミー(循環型経済)への関心を高め行動を促す狙いだ。取り組みは2016年以降ドイツとカナダで実施しており、日本は3カ国目。回収は全国の14の直営店で6月5日から始める。(オルタナ編集部=堀理雄)
同社のポール・ハーディスティ社長は会見で、「サステナブルな社会づくりは一人でも、一社でも、一国だけでも実現できない。コミュニティが一丸となって行動を起こすことが必要」と力を込めた。
回収は衣類やタオル、バッグやシューズのほか、ヘアバンドといったアクセサリーなども対象で、他ブランドのものでも受け付ける。店舗に設置された専用の回収ボックスに入れる形だ。
回収時に付与されるQRコードにアクセスするとプログラムの会員に登録され、リサイクル・再製品化までの過程や回収の進捗状況、海外情報などを受けられるほか、割引クーポンなどの特典もある。
回収された衣類やシューズなどは、日本環境設計とアイコレクト(I:COLLECT)の2社の専門提携企業に送られ再生される。古着としてのリユースのほか、化学的な再素材化やエタノール燃料としてのリサイクルも進める。
アディダスジャパンのアンジェラ・オルティスCSRシニアマネージャーは取り組みの目的について、「(回収からリサイクルへの循環を通じて)製品に第2の命を与えていくこと」と話した。
「不要品回収の後、それがインフラを通してどうなっていくのか可視化することで、消費者の意識を高め、サステナブルなライフスタイルに移行する原動力にしてほしい」(オルティスマネージャー)
回収店舗は札幌、仙台、六本木、渋谷、お台場、新宿、原宿、池袋、二子玉川、名古屋、京都、大阪、広島、福岡の14店舗。今回の取り組みは短期のキャンペーンではなく、日々のカスタマーサービスとして行っていくという。