◆オルタナ本誌 連載「エゴからエコへ」(57号)から
ブラジルで制作された実写版の自主制作映画「WIND PRINCESS」の予告編が話題だ。1984年に日本で公開されたアニメーション映画「風の谷のナウシカ」へのオマージュとして、アニメーションや映画を愛する有志が集まって制作したという。
「風の谷のナウシカ」は国内外で多くの映画賞を受賞した宮崎駿監督の代表作。映画の舞台は未来の地球。科学大戦後の汚染された大地で暮らす人類と自然との共生を描いたこの作品は深い哲学的なテーマを宿しており、大人のアニメファンを一気に増やした。
初公開から四半世紀が経過した今、ブラジルのアニメファンが、宮崎駿監督へのリスペクトとして実写版に取り組んだことで再び話題に。なんと資金は監督のクリス・テック氏がポケットマネーを出し、制作スタッフは仕事の合間に時間をつくって自主参加。「宮崎駿というアーティストからインスピレーションを得てきた人々」の小さなグループによって作られたという。
彼らは営利を目的とせず、自分たちが制作した小道具(グライダーや銃など)を、「三鷹の森ジブリ美術館」(宮崎駿氏が館長)に寄贈することが夢だと語る。
※この続きは、オルタナ57号(全国書店で発売中)掲載の連載「エゴからエコへ」をご覧ください。
田口 ランディ(たぐち・らんでぃ)・作家 東京生まれ。近刊は地下鉄サリン事件実行犯で昨年に死刑執行された林泰男との14年間の文通・交流をもとに描いた私小説「逆さに吊るされた男」(河出書房新社)