「水素エネルギー社会の実装」をテーマにした日経社会イノベーションフォーラムがこのほど開かれた。産官学14人の識者が登壇し、水素エネルギー社会の実現にむけて考えを述べた。神戸市や川崎市では、2020年から「水素サプライチェーン」を構築するための実証事業を行うと発表した。(オルタナ総研コンサルタント=室井 孝之)
同フォーラムでは、松山泰浩・経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長は、「世界中で水素の機運が高まっている。日本は『国際水素サプライチェーン構築』『国内再エネ由来水素製造技術確立』が不可欠だ」と強調した。
政府の水素基本戦略シナリオには、2030年までに「FCV(Fuel Cell Vehicle=燃料電池車)の80万台普及」、「水素ステーションの900箇所整備」、「水素ステーション価格の、現状100円/Nm3から3分の1以下へのコストダウン」、「家庭用電池(エネファーム)の530万台導入」などが盛り込まれている。
久元喜造・神戸市長は、「オーストラリアの褐炭を利用した液化水素の揚陸・供給基地を神戸空港島に整備する『水素サプライチェーン構築実証』を2020年から実施する」と述べた。「2025年の大阪万博には、神戸再エネ水素ステーションを活用したい」とも語った。
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