ネスレの菓子包装、プラから紙へ:脱プラ世界で展開

ネスレ日本は1日、主力製品であるチョコレート菓子「キットカット」の大袋タイプ5品の外袋をプラスチックから紙に転換すると発表した。今年9月下旬出荷分から全量を切り替える。これにより近年、地球規模で問題となっている海洋プラスチックごみ問題に対応し、年間380トンのプラ削減を見込む。ネスレ日本の高岡浩三CEOは発表会見で「廃棄物のない未来に向け、ネスレグループ全体のビジョンのもとに取り組む」と力を込めた。(オルタナ編集部=堀理雄)

紙パッケージ化した「キットカット」大袋タイプの外袋。食べた後に紙パッケージで折り鶴を折り、プラスチック削減の思いを周囲に伝えられるように設計されている

190カ国で事業を展開するネスレは2018年4月、グローバル規模で2025 年までに包装材料を 100%リサイクル可能、あるいはリユース可能にするという長期的な目標を発表。ネスレスイス本社のマーク・シュナイダーCEOは「プラスチック廃棄物は、今日、世界が直面する最も大きなサステナビリティに関する課題の一つ。これに取り組むためには、一致団結したアプローチが必要だ」とコメントしている。

「海洋プラごみの問題は、(ネスレ)日本が真っ先に取り組むべき課題だ」と力を込める高岡CEO

高岡CEOは今回の取り組みについて、ネスレが世界的な戦略として進める脱プラの実現を前倒しして推進するものと位置付ける。外装のコストは上昇するが、「それを度外視しても、日本が真っ先に取り組むべき。(消費者の)理解をいただくことで売上げ増を見込んでいる。一方でコストダウンの努力も変わらず続けていく」(高岡CEO)

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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