「除草剤『ラウンドアップ』の主成分グリホサートとその代謝物が、国会議員を含む28名を対象にした検査で7割の人の髪から検出」――グリホサート禁止を目指す任意団体「デトックス・プロジェクト・ジャパン」は8月8日、都内で記者会見を開き、検査の結果を公表した。食品検査ではパンなど小麦製品からも検出され、給食のパンも安全ではないことが明らかになった。検査に参加した議員4人は、「食の安全の議員連盟」を作り、給食の有機化を促進したいと述べた。(羽生 のり子)
「ラウンドアップ」は世界で一番使われている除草剤だ。現在は、製造元の米企業「モンサント」を2018年6月に買収し終わった独製薬化学企業「バイエル」が販売している。
グリホサートは2000年に特許が切れたので、他企業の除草剤にも使われている。危険性が懸念されており、2015年に世界保健機構(WHO)内の国際がん研究機関(IARC)がグリホサートの発がん性の疑いを発表した。最近では2019年7月31日に国際産婦人科連合が、胎盤を通って胎児に蓄積し長期的な後遺症を起こす可能性があるとし、世界規模での使用禁止を勧告した。
23人の国会議員を含む28人の毛髪検査は、フランスの研究機関「クズ・サイエンス」が行った。根元から3センチ髪を切り、3ヶ月間に摂取された量を調べた。グリホサートとその代謝物質のAMPAが検出されたのは19人、どちらも検出されなかったのは9人だった。被験者はいずれも農薬散布地域にいなかったため、主催者側は「食べ物に残留していたグリホサートが原因」と結論づけた。