ブラジルのアマゾンでの大規模な森林火災が世界で注目を集める中、仏グリーンピースは「火災の責任は、アマゾンの焼き畑農法で栽培した大豆をブラジルから輸入し続けるEUや仏政府にもある」との声明を発表した。「飼料用大豆の輸入に依存した集約的畜産を止めない限り火災は続く」という。同様に、輸入大豆の17パーセントをブラジルに依存する日本の責任も問われそうだ。(在パリ編集委員・羽生のり子)
フランス南西部ビアリッツで8月24日から26日まで開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)の直前、仏マクロン大統領は「アマゾン森林火災は国際的危機」と発言し、G7で最重要課題とすると述べた。最終的にG7では、2000万ドル(約21億円)をアマゾンの火災消火と植林のために提供する合意を得た。しかし、それだけでは根本的な解決にならない。
仏グリーンピースは8月24日の声明文で、飼料用大豆の輸入を止めない限り火災は続くと警告した。問題視したのは、欧州の肉食文化と、大量の肉を生産するために家畜を過密な状態で飼育する集約的畜産だ。
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