第7回アフリカ開発会議(TICAD7)公式サイドイベントである「アフリカのきれいな街プラットフォーム(ACCP)第2回全体会合」が、8月26日、27日横浜市で開催された。同プラットフォームでは、アフリカの都市における廃棄物管理の改善とSDGsターゲットの達成に向け、課題、取組事例、課題方策を共有する。環境省、国際協力機構(JICA)、国連環境計画(UNEP)、国連人間居住計画(UN-Habitat)及び横浜市のイニシアチブで2017年4月に設立され、アフリカ35カ国、64都市が参加している。(オルタナ総研コンサルタント=室井孝之)
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セッション「SDGs達成に向けた廃棄物データ活用」では、森郁夫エックス都市研究所(東京都、内藤弘社長)国際コンサルティング事業本部技術協力チームリーダーから、国、都市別アンケート結果が報告された。
1. 廃棄物の50%が放置されている。
2. 廃棄物収集サービスのカバレッジが不明である。
3. 衛生的な廃棄物埋め立て地のノウハウがなく、昨年2月にはモザンビークでごみの崩落事故が起きた。
4. 廃棄物の発生率の情報源が不明である。
5. 廃棄物処理コストが管理されていない。
アイザック・ムラヤケニアナイロビ都市地域政府環境局長からも、「廃棄物に関するデータの信頼性が必要だ」との発言がされた。
ハイレベルセッション「アフリカのきれいな街と健康な暮らしの実現に向けたACCPの貢献」では、シェィラ・サンタナモザンビーク共和国土地・環境・農村開発省事務次官は、「首長向け廃棄物管理教育、収集・運搬・廃棄に関するデータ・ベース構築、リサイクルプロジェクトのファイナンス支援、リサイクル産業の構築など取り組み中だ」「ワールドクリーニングディでは、10万人が参加した」と述べた。
ロベール・ブーグレコートジボワール共和国アビジャン自治区長からは、「アビジャンと横浜市は姉妹都市だ。横浜市の循環経済はレジリエントな都市づくりに不可欠である」とクリーンで健全な街づくりを強調した。
原田義昭環境大臣は、「最終処分場の安全性向上を目指し、モザンビークにパイロットプロジェクトを導入する」「廃棄物管理の人材育成として、訪日研修の他にアフリカにトレーニングセンターを設置する」と述べ、これらが含まれた「横浜行動指針」が採択された。
「横浜行動指針」は、TICAD7に報告され、採択を目指す「横浜宣言」に盛り込まれる見通しだ。