聖心女子大学はなはなSDGsと環境学生団体em factoryは9月28日、プラスチックごみ問題に関心を持つ学生たちと「マイボトル化提案ワークショップ」を開催した。学生団体7団体から約30人が集まり、グループごとにマイボトル化を推進するためのアイデアを出し合った。(オルタナ副編集長=吉田広子)
ワークショップに参加したのは、聖心女子大学はなはなSDGs、em factory、学生国際協力NGO FEST TOKYO、東洋大学TIPS、十大学合同セミナー、東洋大学エコボラ、SHIPの7団体。それぞれ環境問題や国際協力、SDGs(持続可能な開発目標)の推進などに取り組んでいる。加えて、高校1年生も1人参加した。
ゲスト講師は、BRITA Japanの迫田時秀・「BRITA EcoWater Action 2021」プロジェクトリーダーが務めた。同社は「水の飲み方を持続可能にする」をビジョンに掲げ、2019年に使い捨てプラスチックごみ削減を目指したプロジェクトを開始した。
日本は1人あたりの使い捨てプラスチックごみの発生量が米国に次いで世界2位で、清涼飲料用ペットボトルは年間200億本以上も出荷されている。
荒川で清掃活動などに参加する迫田プロジェクトリーダーは「海洋プラごみ問題は、海外だけの問題ではない。荒川でごみ拾いをすると1時間でも大量のごみが集まる。それらが風に吹かれるなどして、川から海へと流れてしまっている」と問題提起する。
「プラごみは8割がリサイクルされていると言われるが、その多くは『燃やされている』。中国のごみ輸入の禁止によって、行き場をなくしたプラごみも積み上がっている。3Rの『リデュース』に取り組むことが先決ではないか」と続けた。
■大学に「ドリンクサーバー」を
今回のワークショップでは、プラごみ問題の具体的な解決策の一つとして、マイボトルがどうしたら定着するのか、グループごとにアイデア出しを行った。すでにマイボトルを持ち歩いているのは、参加者の3分の1程度。なかでも「節約のため」という理由が多かった。
一方、ペットボトルは「安く」「便利」「すぐ捨てられる」が、マイボトルは「洗うのが面倒」「つい持っていくのを忘れる」「荷物がかさばる」といった課題が挙がった。
そこで提案されたのが、ドリンクサーバーのアイデアだ。ディスペンサーに広告を表示することでドリンク代を安く抑える、定期のような機能を付けることでマイボトルを習慣化させるといったアイデアが出た。キャンパス内でボトルをシェアしたり、割引特典を付けたりするというアイデアもあった。
荷物がかさばる点に関しては、日常的に持ち歩くものとボトルを合体させるアイデアが複数出た。例えば、ボトルキャップと傘、ボトルとスマホの充電器、キーケースを兼ねたボトルカバーなど、さまざまな機能を持たせることで、マイボトルの持ち歩きを習慣化させる考えだ。
このほか、自動洗浄できる機械がほしい、人気ブランドとのコラボレーション、インスタ映えを意識した中身が美しく見える透明のタンブラーなど、学生らしい自由な意見が多数集まった。