オーガニックコットンと苦楽の30年:アバンティ物語㊦
――このほど日本初のオーガニックコットン素材でできたリアルフリースを作りました。どのような点にこだわりましたか。
海洋マイクロプラスチックやマイクロファイバーが問題であると知って、オーガニックコットンを使う私たちがやらなければいけないことは、生分解性商品の開発と考えました。
通常のポリエステルでできたフリースは洗濯すると、繊維が流れてしまいます。このリアルフリースは、ウールとオーガニックコットンでできています。
ウールが肌に合わない人もいるので、肌に当たる部分は、肌に優しい素材であるオーガニックコットンを使い、表はウールを使いました。ウールだから防寒性もあります。
リアルフリースも洗濯によって繊維が流れてしまいますが、生分解性があるので、ポリエステルのフリースと比べて環境配慮型です。
――100%竹と水の天然成分でできた洗浄剤「竹の洗濯水」も作りました。
今までは、重曹由来の洗浄剤を提案しており、オーガニックコットンを手入れして、洗うのには最適でした。しかし、ウールを洗濯する際に、重曹を使うと縮んでしまいます。
竹の洗濯水は、竹炭と竹炭灰を天然水で沸騰してから、蒸留して作られたもので、重曹よりも縮みにくく、まるで柔軟剤が入っているかのように柔らかく仕上がるのがメリットです。
しかも、竹害の解決にもつながるという点で、重曹よりも環境に優しい。界面活性剤を一切使用していないので、海洋に出てからも悪さをしない。界面活性剤がないと、洗浄能力がないと世間では思われているかもしれないですが、ウールやオーガニックコットンなどの天然繊維を洗うのに適しているのです。