イタリア政府は来年度から、気候変動とSDGs(持続可能な開発目標)を全公立校で必須学習内容にする。メキシコでは環境教育にSDGsを加えるという新法を作成中で、法施行時には全学校でこれが必須になる。日本でも2020年からSDGsが小中学校の学習指導要綱に組み込まれ、世界各国の義務教育で気候変動・SDGsの内容が急速に増えそうだ。(NZニュープリマス=クローディアー真理)
イタリア政府が計画する環境教育は、2015年に国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を、できるだけ多くの教科に取り入れる予定だ。加えて週に1時間、別に時間を取り、人間がどのように自然環境に変化をもたらしているかや、地球温暖化の原因と影響に絞った授業を行う。
6~11歳の小学生には、自然界との関係を主題にした、世界のさまざまな国の物語や童話を通して環境について教える。中学校ではより専門的な内容に触れ、高校ではSDGsの目標17項目が織り込まれる。英『ガーディアン』紙によれば、地理、数学、物理はサステナビリティの観点から授業を行うそうだ。
2020年9月に始まる来年度に備え、教育省がカリキュラムの準備を行い、世界的に著名な専門家の意見も取り入れる。そして1月には準備を終え、教師のトレーニングに入るという。
■メキシコでも公立校で義務化へ
メキシコでは、昨年12月の新政権誕生を機に、環境NGO15団体のグループ、エデュカシオン・アンビエンタル・メキシコの協力の下、環境教育の変革が進められてきた。さらに教育省や環境省は同グループを交え、新たな環境教育法の策定を行っている。同法では、幼児教育施設から高校に至るまで、公立校教育で環境教育とSDGsが義務化される。これらは各教科に織り交ぜて教えられるが、特に化学、物理、生物学、歴史に取り入れることで、大きな効果を発揮すると期待される。
過去50年以上にわたって、環境教育に力を入れてきたメキシコでは、ほとんどの大学で、サステナビリティがカリキュラムに組み込まれている。大量生産・大量消費・大量廃棄の習慣を是正するためには教育よりほかに方法はないと、新法作成に着手した。国連の「持続可能な開発のための教育の10年(DESD)」を現状に沿ったものにし、より積極的な行動を目指す。順調にいけば、法は来年4月に成立となる。
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