持続可能な社会の実現をテーマとする展示会「エコプロ2019」が12月5日~7日、都内で開催された。テラサイクルジャパンと東京都環境局のブースでは、繰り返し使えるリユース容器を利用した商品提供システム「Loop」が紹介された。欧米の一部ではすでに運用が始まっており、日本からは味の素やイオン、資生堂など食品、飲料、化粧品メーカーなど13社が参加を表明。来年秋以降の試験運用を予定している。(オルタナ総研コンサルタント=室井孝之)
「エコプロ」は、1999年に初開催され、地球環境課題の解決に向けて数多くの取り組みを紹介してきた。今年は、環境問題への対応やSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みを中心に、企業、自治体、NPO、大学など515社・団体が出展した。
東京都は、2050年にCO2排出実質ゼロに貢献する「ゼロエミッション東京」を宣言している。今年8月には、ワンウェイプラスチックの削減などプラスチックの持続可能な利用に向けた取り組みの共同事業者を、「リユース容器を利用した商品提供プラットフォーム(Loop)」を運営するLOOP Global Holdings LLCとテラサイクルジャパン合同会社に決定。2020年秋の試験運用を目指している。
Loopは、「捨てるという概念を捨てよう」というミッションを掲げ、世界20カ国以上で廃棄物問題に取り組む米国テラサイクル社(トム・ザッキーCEO)が進めるサーキュラーエコノミー(循環経済型)プラットフォームだ。
使い捨てされていた一般消費財や食品の容器を、繰り返し利用可能な耐久性の高いステンレスやガラスに変え、使用後は消費者の自宅から容器を回収し、洗浄、補充した上でリユースするシステムである。