ワタミは1月13日、食事の宅配事業「ワタミの宅食」で、弁当・惣菜容器を回収し、容器の原料などに再資源化する取り組みを中国・四国地方に拡大した。これにより1日5万1000食分の容器がリサイクルされることになる。容器はバイオマスプラスチックを採用している。(オルタナ副編集長=吉田広子)
「ワタミの宅食」では、弁当・惣菜の製造から宅配までを自社で一貫して行っている。配達を行う「まごころスタッフ」が食べ終えた後の容器を回収し、食品工場「ワタミ手づくり厨房」岩国センター(山口県岩国市)に集める。
その後、協力企業が中間処理を行い、油・コークス・ガスへのケミカルリサイクルを実施。ケミカルリサイクルした油から弁当・惣菜の容器に再生している。
このリサイクルプログラムは当初、愛知県、岐阜県、三重県、福井県、石川県、富山県でスタートし、1日約3万1000食分(約930㎏)を中京センター(愛知県焼津市)に集め、再資源化していた。
今回、鳥取県、島根県、岡山県(備前市を除く)、広島県、山口県(下関の一部エリアを除く)、香川県、徳島県、愛媛県、高知県にエリアを拡大。合計で毎日約5万1000食分(約1530㎏)の容器がリサイクルされることになった。
2022年3月を目標に全国展開を計画し、それが実現すれば年間約6100万食(約1830t)の容器がリサイクルされることになる。
さらに1月13日をもって、宅食事業を展開している全エリアで、弁当・惣菜の容器が全てバイオマスプラスチックに切り替わった。これにより毎日約23万食、1年で約6100万食(約1830t)分の容器がバイオマスプラスチック容器となった。
こうした取り組みは、環境省から令和元年度の「プラスチック等のリサイクルプロセス構築・省CO2化に係る技術実証事業」として採択されたほか、日本バイオマス製品推進協議会の「第9回バイオマス製品普及推進功績賞」を受賞している。