■オルタナ本誌59号 「FEATURE STORY 1」から
「環境水族館アクアマリンふくしま」(いわき市)は、「ショーがない水族館」。動物に芸を教えていない。全国屈指の来館者数を誇る「葛西臨海水族園」(東京・江戸川)にも、ショーはない。この両施設の立ち上げに携わった安部義孝氏に話を聞いた。(海洋ジャーナリスト/編集委員=瀬戸内 千代)
「水産が盛んな日本では魚類や鯨類に対する関心が高く、猿回しのような伝統芸もあるからか、イルカショーをやりたがる施設が多い。環境保護には賛成だが、一部の反捕鯨活動には環境帝国主義的なにおいも感じる。でも僕も、餌をやってジャンプさせるのを見せるのは、違和感がある。
定時のショーがあると順路が崩れるし、イルカ用の丸いプールは場所もとる。それで僕は不要という意見だ」
安部氏は葛西臨海水族園長、上野動物園長などを歴任し、現在は環境水族館アクアマリンふくしまの館長を務める。
原発事故が起きてから客足が戻らないが、以前は年平均89万人の集客に成功していた。計画段階からかかわった2つの公営水族館には、鯨類がいないし、ショーもない。
*この続きは雑誌「オルタナ」59号(第一特集「動物福祉(アニマルウェルフェア)のリスクと機会」、12月17日発売)に掲載しています。