環境・エネルギー分野の材料研究開発を行うGSアライアンス(兵庫県川西市、森良平社長)はこのほど、同社が開発した100%天然バイオマス系材料由来の生分解性樹脂の技術が、サステナブル技術普及プラットフォーム(STePP)に登録されたと発表した。STePPは、国連工業開発機関(UNIDO)東京事務所が、開発途上国や新興国の持続的な産業開発に資する日本の技術を紹介するプラットフォーム。石油を含まない樹脂材料や成形技術などが評価された。(オルタナ編集部=堀理雄)
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GSアライアンスが開発した樹脂技術は原料に石油を一切含まず、デンプン系のほか非可食性バイオマスであるセルロース系生分解性樹脂材料などを使用。植物由来のセルロースナノファイバーや、廃木材・古紙といったリサイクル可能な廃棄物を複合した生分解性樹脂材料も可能だ。同社は「Nano Sakura」という登録商標名で、ボトルや皿、コップなど成形品の販売も行っている。
セルロース系生分解性樹脂は非可食性バイオマスを原料とするため、将来的に食糧問題と拮抗することを避けることができる。また処理コストがかかる廃木材や竹、サトウキビのカスなど再生可能な廃棄物を複合原料とするビジネスモデルも、現在進めているという。
STePPに登録される企業の技術は、(1)開発途上国・新興国での適用可能性、(2)競合技術に対する比較優位性、(3)UNIDOが担う産業開発の役割との整合性、(4)当該技術を適用した場合の持続可能性への貢献、(5)技術的成熟度――の5つの基準で、UNIDOの評価委員会が選定している。エネルギー、環境、アグリビジネス、ヒューマンヘルスの4つの分野に分かれ、各企業による登録技術数は現在計100種ほどだ。