新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、リスク管理の観点からも従業員の健康管理が見直されている。そうしたなか、再生可能エネルギーに特化した電力小売事業者みんな電力(東京・世田谷)はこの4月、新事業として「みんなエアー」を本格化する。これまで「顔の見える電力」を推進してきた同社は、浮遊する菌を「見える化」するサービスを提供し、感染症対策と安心できる環境づくりを進める。(オルタナ副編集長=吉田広子)
中小規模事業所を対象にした、神奈川県横浜市と東京大学政策ビジョン研究センターの共同調査(2018年6月発表)によると、体調不良などに伴う従業員1人当たりの労働生産性の損失額は年間76.6万円に上ると推計された。
従業員の健康は生産性に直結するといえ、BCP(事業継続計画)の面でも、従業員の感染リスクを最小限に抑えることが求められている。
みんなエアー事業では、浮遊菌の検査を行うほか、紫外線殺菌装置「エアロシールド」やウイルスを殺菌する「セイバーJIN」などを販売する。
浮遊菌検査では、依頼主からの要請を受けてみんな電力が検体の採取を行い、その検体を専門の検査機関が検査する。その結果をもとに、みんな電力は改善提案を行う。さらに検査結果をブロックチェーン上のデータに蓄積し、一般ユーザーがスマホなどで空気の清潔度をチェックできるサービスの提供も予定している。
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