大人のためのエシカルな時計として2016年に誕生したシチズン時計の「CITIZEN L(シチズン エル)」。デザインや機能性だけでなく社会や環境へ配慮したエシカルなコンセプトが今の女性の気持ちをつかみ、広い世代に受け入れられ販売も好調だ。社内にエシカルなコンセプトが波及するなど、発売から4年を経て、同社のSDGsへの取り組みをけん引するブランドに成長している。(環境ライター・箕輪 弥生)
エシカル支える5つの「約束」
「社会は時計にデザインや機能性だけではない何かを求めているのではないか」─。
「内面を美しく」というコンセプトを持つシチズン エルはこんな問いから生まれた。時は6年前の2014年にさかのぼる。
資源の枯渇化や広がる格差など国際的な課題が深刻化するなかで、時計メーカーとして何ができるのか。社内の商品企画の担当者らが中心となって議論した。外部の専門家にもアドバイスを求めた。
そうして彼女たちが手探りで見出したのが次の5つのコミットメントだったと商品企画の前田花菜さんは振り返る。
①時計を作る原材料を化学物質まで公開
②材料調達から製造、廃棄、リサイクルまで時計の一生涯で排出されるCO2排出量の公開
③コンゴ共和国などで採掘された紛争鉱物を使用しない「DRCコンフリクトフリー」
④取扱説明書を紙からデジタル化へ
⑤リユースでき、素材もこだわったサステナブルなパッケージ