セブン&アイ・ホールディングスはこのほど、NTTドコモ、フードダイバーシティと連携し、都内のイトーヨーカドー6店舗で「食品判定システム」の実証実験を始めた。顧客がスマートフォンなどの専用アプリで店舗の棚に並ぶ商品を撮影すると、イスラム教徒(ムスリム)や完全菜食主義者(ビーガン)が口にしてよい食品か判断の助けとなる情報を、色分けした枠で表示する。プライベートブランド「セブンプレミアム」の食品約2900点が対象だ。(オルタナ編集部)
近年、東南アジアなどからの訪日旅行者が増加し、ムスリムやビーガンなど「食の禁忌」を持つ人も増加している。そうした人が日本で食品を購入する場合、日本語で表記された原材料名を見た上で、それを翻訳アプリで翻訳するなどして判断する必要があった。
今回、NTTドコモが開発した「商品棚画像認識エンジン」を活用し、2018年9月にフードダイバーシティと開発した「食品判定システム」を用いることで、スマホなどで商品を撮影すれば食の禁忌に関する情報を得ることができる。流通小売企業と直接連携した実店舗での実験は今回が初めてだ。
「食品判定システム」は、フードダイバーシティが提供するムスリムやベジタリアン向け食事アプリ「HALAL GOURMET JAPAN」(英語)のなかで利用できる。
撮影された商品の情報を蓄積し、「食の禁忌」をもつ顧客の興味関心を検証することで、店頭で食品を購入しやすくなるよう品揃えの充実に繋げる狙いがある。実証実験は5月末まで行われる。