トヨタ自動車の豊田章男社長は12日、2020年3月期決算説明会で、新型コロナ危機を踏まえたうえで「SDGsを強化する」と宣言した。新型コロナ危機を、「企業も人間もどう生きるのかを考え直す最後の機会」とし、「世界中で自分以外の誰かの幸せを願い、行動できる人財を育てることが私の使命、すなわちSDGsに本気で取り組むことだ」と強調した。(オルタナ副編集長=吉田 広子、オルタナS編集長=池田 真隆)
トヨタ自動車は2019年6月に「サステナビリティ推進室」を新設して以来、SDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・ガバナンス)に本格的に取り組む体制づくりを進めてきた。
これまで同社ではサステナビリティの担当領域が部署ごとに分かれていた。環境部は環境対策(E)、社会貢献推進部は社会貢献(S)、経営支援室はガバナンス(G)を担当していた。サステナビリティ推進室をつくったことで、ESGの領域を全社で推進していく方向に切り替えた。
さらに今年2月にはサステナビリティ部門を統括するチーフ・サステナビリティ・オフィサー(CSO)を新設。早川茂副会長が就任した。
運輸関連のCO2排出量は、世界全体の排出量の約4分の1を占めている。こうしたことから、同社では特に環境分野に力を入れる。