新型コロナ禍を乗り切ったニュージーランドで、通勤や通学、レジャーなどで自転車の人気が急上昇した。運輸局も、臨時の自転車レーンなどを設ける地方自治体に費用の90%を助成する制度を開始。市民に利点を実感してもらい、自転車レーンの永続的な使用を目指す。ソーシャルディスタンスも守りやすい自転車への注目度が高まっている。(NZニュープリマス=クローディアー真理)
ニュージーランドで新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために行われた自己隔離中でも許されていた運動の1つがサイクリングだ。企業や店舗の一時閉鎖や、学校の休校で、隔離時は車の交通量が激減すると共に、家族全員そろって行動する機会となり、サイクリング熱が急上昇した。
マウンテンバイクコースなどのアドベンチャーアクティビティを約3.6km2にそろえたクライストチャーチ・アドベンチャー・パークが4月下旬の三連休中に1,000人を対象に調査したところによると、隔離期間中、最も人気があった運動が「サイクリング」で78%に及んだ。そして64%の「散歩」がそれに続いた。
この機会に改めて自転車に乗ろうという人が整備に出す自転車で、修理施設はどこもいっぱいになっていることを、国内2大TVニュース番組が伝えている。オークランドにあるアドベンチャー・サイクルズのスタッフの1人はワンニュースに、通常では1時間に約4台の自転車が修理のために持ち込まれるが、現在それは10台に膨れ上がっていると混雑ぶりを話している。
国内でも指折りの自転車店、バイクバーンやイーヴォ・サイクルズでは、新しい自転車の売れ行きが良く、売り切れも出ている。工場に注文しても、新型コロナウイルスの影響で生産が遅れており、顧客の希望になかなか沿えないという。
国内で最も規模が大きいオークションサイト、トレードミーでは、5月23日までの1週間に、キーワード、「自転車」が78万回も検索されたという。これは前年の同じ期間と比較して27%増えたそうだ。
■コロナ後の町づくりに、「タクティカル・アーバニズム」を生かす