私たちに身近な生物多様性 36
エナガは、昔から根強い人気の野鳥界のアイドルだ。エナガに的を絞って探しに出かけるとなかなか見つからないが、シジュウカラやヤマガラ、メジロなどの群れを追っていると、行動をともにするエナガをふと目にすることがある。
私の観察経験では、特にシジュウカラとよく行動をともにしていて、明治神宮の北池周辺はそのような群れ(混群)に出会う確率が高い。
石神井川の桜並木ではシジュウカラに比べ発現頻度は低いが1年を通して飛来しているようだ。
運がよければということだが、初夏の一時期、エナガだけの十数羽の群れで、桜の木から木へ、枝から枝へと移動する姿を目の当たりにすることもある。
野鳥としてはか細い位の、虫のようなツィーツィーと(私には)聞こえる声で、鳴きかわしながら移動していく。
鳴き声をたよりに近づき見上げると、葉を落とした桜の枝で何かを食べながら、枝から枝、木から木へ集団でせわしなく飛び交うエナガたちの姿が目に飛び込んできた。
5月下旬に葉がないということは、虫によって葉を食べつくされたのだろうか。あるいは樹勢を維持するためや水不足などに対応するため、木自身が一度葉を落としたのか、ともかく裸になった枝の表面をこそぐようにして、さかんに何かをついばんでいる。