The Coca-Cola Foundation(コカ・コーラ財団)は7月2日、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、仕事や住まいを失った人たちを支援するため、認定NPO法人ビッグイシュー基金(大阪市)に50万ドル(約5350万円)を寄付したことを発表した。寄付金は、生活困窮者の住まい確保や生活再建に役立てられる。(オルタナ副編集長=吉田広子)
ザ コカ・コーラ カンパニーは毎年、前年度営業利益の1%を社会に還元するように努め、2019年は財団とともに1億2400万ドル(約133億円)以上を拠出したという。
寄付先である認定NPO法人ビッグイシュー基金は、ホームレスの人や生活に困窮する人が販売できる雑誌「ビッグイシュー日本版」を発行する有限会社ビッグイシュー日本を母体に設立された非営利団体。2007年に設立され、困窮者の生活自立応援やホームレス問題解決のネットワークづくりと政策提案などを行ってきた。
今回の寄付金は、賃貸住宅の初期費用や必要な家具などを揃えるための費用に充てられる。東京と大阪を中心に200世帯ほど支援する計画だ。
ビッグイシュー基金の稲葉剛共同代表は「コロナの影響で経済環境が悪化し、仕事を失う人が増加している。世界的に問題になっている貧困層の感染増加は、日本でも起きている。一方で、公的な支援が活用できない人が一定数いる。私は25年ほど生活困窮者の支援に取り組んできたが、今回のプロジェクトは民間として最大規模の支援ではないか」と話す。
The Coca-Cola Foundationはホームレス支援に加え、日本で新型コロナの感染拡大防止に取り組む個人・団体・事業者・医療機関・自治体を支援するため、東京コミュニティー財団(東京・千代田)に対し100万ドル(約1億700万円)を寄付した。
日本コカ・コーラ広報・パブリックアフェアーズ本部渉外グループの岡部容子統括部長は「セクターの枠を超えて、財団や施設との新しい縁ができた。現場の情報を聞くことで、企業として何ができるのか真剣に考える機会をもらえた。もともと地域とのつながりが強い企業だと思っていたが、それを深めるきっかけになった。サステナビリティの領域は広く、課題は大きいが、社会とつながる貴重な経験になった」と意義を語った。