独日用品・化学大手ヘンケルは7月3日、世界初の「プラスチック廃棄物削減ボンド(社債)」の発行に向けた手続きを完了したことを発表した。第一生命保険と第一フロンティア生命保険の私募で資金調達し、プラスチック廃棄物を削減するためのプロジェクトや費用に充当する。総額は7000万米ドル(約75億円)に上り、満期は5年だ。(オルタナ編集部=三宅千鶴)
ヘンケルは「2025年に向けたパッケージング目標」を設定。化石資源由来のバージンプラスチックを50%削減するとともに、すべてのパッケージをリサイクルまたはリユース可能なものに置き換えることを目標に掲げる。
循環型経済(サーキュラーエコノミー)への移行を目指すヘンケルは、Alliance to End Plastic Waste (廃棄プラスチックを無くす国際アライアンスAEPW)の創立メンバーであり、Plastic Bank(プラスチックバンク)のパートナーでもある。連携することで業界横断的な取り組みを推進する。
サステナビリティ目標への取り組みについて、ヘンケルのマルコ・スウォボダCFO(最高財務責任者)は、「サステナビリティは投資家や金融市場にとってますます重要になっている。当社がプラスチック廃棄物削減ボンドを発行する最初の企業になったことを誇りに思う」とコメントしている。
岡崎健次郎・第一生命外国債券部長は「第一生命はESG投資を推進しているが、今回のボンドはプラスチック廃棄物削減に特化して充当される初の社債。ヘンケルがよりサステナブルなパッケージソリューションを開発していくなかでサプライチェーンにも直接的な影響を与える。こうした取り組みは持続可能な経済の発展とプラスチック廃棄物削減につながる」と期待を寄せた。