SDGsの「主流化」が進んでいます。政策面での主流化の象徴が、「スーパーシティ構想」という最新のシティ政策です。規制緩和と最新技術の組み合わせで異次元の「丸ごと未来都市」をつくる構想です。(千葉商科大学基盤教育機構・教授/CSR/SDGsコンサルタント=笹谷秀光)
■ 政策そのものになったSDGs
SDGs は完全に政策そのものになりました。それも政策の「主流」です。「主流化」というのは、単なる参照事項や「枕言葉」ではなく、 SDGs の推進自体が重要な政策になったのです。
SDGsの主流化は、政策や予算の大枠を決める、いわゆる「骨太の方針」という政府の重要文書での SDGs の扱いにも表れています。最新の「経済財政運営と改革の基本方針2020」でも「5.新たな世界秩序の下での活力ある日本経済の実現」の項目の中で、「持続可能な開発目標(SDGs)を中心とした環境・地球規模課題への貢献」が盛り込まれています。
現在は SDGsと関連付けなければ予算がとりにくい、制度が設計しにくいという流れが加速しています。各府省は、 SDGs の先陣争いを展開しています。政府のSDGsの重点は、Society5.0の推進、地方創生、次世代育成・女性活躍の3つです。
SDGs がさまざまな政策に取り入れる中で、全閣僚メンバーから構成される政府の SDGs 推進本部が、2017年に自治体についても SDGs を重要な推進要素にして、中でも18年度から発足した「SDGs 未来都市制度」と「SDGs 未来都市モデル事業」が重要です。
SDGs 未来都市は、18、19年度で60の自治体が選定されていました。先日、7月17日、20年度の選定があり、33都市(34自治体)が選定され、合計94自治体に達しました。
2019年12月に発表された「第2期まち・ひと・しごと総合戦略」では、SDGsが重要な横断的目標として位置づけられました。SDGs は「主流化」し、2019年の内閣府の取りまとめによれば、地方創生のSDGs 関連予算は127本に及び、ほとんど全ての府省庁が関係しています。
■ スーパーシティ構想とSDGs