木製「SDGsストロー」、横浜で産福連携を目指す

横浜市内で製作した木製ストローが「SDGsストロー・ヨコハマ」と呼ばれ、横浜ベイシェラトンホテル&タワーズをはじめ市内で普及し始めた。水源林の間伐材を使い、海洋汚染防止に貢献するほか、障がい者の就労支援にもつながる。同プロジェクトは、中間支援組織であるヨコハマSDGsデザインセンター(横浜市)が中心となり、飲食店やホテルと連携して進めている。(オルタナ編集部・松田ゆきの)

横浜市が保有する水源林の間伐材から生まれたSDGsストロー・ヨコハマ

ヨコハマSDGsデザインセンターは「SDGs未来都市・横浜」の実現のために、横浜市民、市内の飲食店やホテルなどの企業、大学などと連携して環境・経済・社会的課題の課題解決に取り組む中間支援組織だ。

「ヨコハマ・ウッドストロープロジェクト」はアキュラホーム(東京・新宿)と連携して立ち上げた取り組みの一つだ。

アキュラホームは2018年、「木材ストロー」の発案者である環境ジャーナリストの竹田有里氏と協働し、「ウッドストロー・プロジェクト」を立ち上げた。ヨコハマSDGsデザインセンターは本プロジェクトを横浜市の地産地消モデルとして採用し、「SDGsストロー・ヨコハマ」の普及を進める。

SDGsストロー・ヨコハマは、横浜市が保有する山梨県道志村の水源林の間伐材が原材料だ。特例子会社の日総ぴゅあ(横浜市)や市内の障がい者施設などと連携し、一つのことに集中力を発揮する人たちが、厚さ0.15ミリの木板をのり付けし、金属の棒に巻き付けてストローに成型する。

厚さ0.15ミリの加工板を金属の棒で巻き付けてストローの形にする

横浜ベイシェラトンホテル&タワーズは2020年2月から、ヨコハマ・ウッドストロープロジェクトに協賛し、ホテル内のラウンジ「シーウインド」でSDGsストロー・ヨコハマの提供を始めた。10月1日から同ストローとセットで提供するオリジナルドリンクの第2弾を販売する。

SDGsストロー・ヨコハマを使う輪を広げるなかで生じる課題がコストだ。プラスチックストローの単価は1本1円以下、紙ストローは2、3円に対して、木製ストローの単価は1本50円だという。

エックス都市研究所の河野有吾主任研究員はSDGsストロー・ヨコハマのコーディネートを担当する

ヨコハマSDGsデザインセンターで本プロジェクトをコーディネートする、エックス都市研究所(東京・豊島)の河野有吾主任研究員は「課題はあるが、間伐材の費用や製作者への対価だと理解し、価値を感じてもらえる方への販売を目指したい」と話す。

SDGsストロー・ヨコハマを、飲食店やイベントで横浜の地産地消を後押しするドリンクと合わせて提供する方法を考えており、今後も飲食店を中心に連携を呼びかけるという。

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