【スイス=岩澤里美】スイスのドリス・ロイトハルトエネルギー相は14日、原子力発電所の3基の改修と新規建設を一時中断することを発表した。中断期間は未定。スイスでは現在5基の原子力発電所が稼動中で、国内全発電の40%を原発でまかなっている。
連邦原子力安全監査団が今回の日本の事故を踏まえ、冷却機能を中心に国内原発を再度見直して新しい安全基準を作ることを検討する。
稼動中の5基(最古は1969年から稼動開始)は震度7までを想定した設計で、スイスは大地震が起こる可能性は低いと言われるが、もしも安全基準を高めることになったら安全度強化の改修には投入が困難なほどの多額の資金が必要となることもあり、古い原子力発電所は稼動停止しなければならないことが考えられるという。
原子力発電の代替としては風力発電を挙げる声がある。また電気使用量が年々増加し続けているのは電気代が安すぎるためという声もあり、節電の一案として電気代値上げもありえるかもしれない。(ユナイテッド・フィーチャー・プレス)