第一特集
不毛なゴミ論争 もう止めよう
ゴミは分別すべきか、否か。プラスチックは埋め立てか焼却か――。
ゴミを巡っては、さまざまな議論が繰り広げられてきた。だが、論争だけではゴミは一向に減らない。何が真実かを見極め、循環型社会の実現に向けて、私たちは何をすべきか考えたい。
第二特集
フェアトレード 成功の方程式
ビジネスとして成長軌道に乗りつつあるフェアトレード。一般の消費者にはまだまだ馴染みが薄いものの、最近は大手業者が取り扱いを始めたこともあり、徐々に浸透しつつある。フェアトレード商品を扱う各社を取材して、売れ筋商品とその販売戦略を追ってみた。現場の担当者が抱える問題も検証しつつ、フェアトレード成功の方程式を探っていきたい。
モデル企業ルポ
「ジップカー」車は「所有」から「共有」の時代へ
複数の会員で車を共有して使用する「カーシェアリング」。現在会員数約18万人、5千台の自動車を保有する米国のカーシェアリング最大手「ジップカー」のサービスは、都市部に住む人たちの新たな車との付き合い方として根付き始めている。
ニュースエッジ
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イタリア、公共施設で太陽光発電 ほか
イタリア・ナポリのゴミ埋め立て処分場が満杯になり、市が収集をストップしたことで大混乱に陥ったことは世界中で報道された。そのイタリアでは、すべての公共施設に太陽光パネルを設置することになった。積極的な環境政策で知られるプロディ首相だが、その成否はいかに。
ビジネスウェーブ
17
客が支払額を決めるレストラン
料理に値段がなく、食べ終えた客がいくら支払うかを決めるレストランが米カリフォルニア州バークレー市にある。贈ることを前提とするギフトエコノミー(贈与経済)の考え方に基づく、新しい挑戦だ。
マーケティング
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もう一つのブランド論:イノベーションこそ最大の武器
ビル・エヴァンス『ワルツ・フォー・デビー』の一曲目「マイ・フーリッシュ・ハート」が流れ始めた。だが、違和感がある。
CSR経営論:マテリアリティの堂々巡り
「マテリアリティ」の議論に苦戦する日本企業が増えている。マテリアリティとは、自社にとって、またステークホルダーにとって中長期的に財務や企業経営に影響する課題の重要度を特定し、取り組みの優先順位を付ける考え方だ。
オルタナパーソン
ジョン・ウッド(ルーム・トゥ・リードCEO)
子供の教育で「世界を変える」
ネパールやスリランカなど発展途上国8カ国で、小学校や図書館の建設などに取り組むNGO「ルーム・トゥ・リード(RTR)」。世界各地に支部が生まれ、精力的に資金を集めながら急成長している。CEOジョン・ウッドがかつて勤めたマイクロソフトの総帥ビル・ゲイツも巨額の寄付で話題を集めたが、同じ慈善事業でも二人の手法は実に対照的だ。
ニューススクランブル
24
家庭の廃食油も回収します ほか
飲食店などから出る廃食油を回収し、軽油と同様に使えるベジタブル・ディーゼル・フューエル(VDF)に再生しているユーズ(東京都墨田区)はこのほど、一般家庭からの廃食油の回収に本格的に乗り出した。
フード
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グリーンミシュラン:ビーンズ・キッチン
豆料理で幸せの輪を広げる
「豆は良いことが循環する食材。豆をもっとおいしく、たくさん食べて欲しい」。
下町情緒あふれる谷中銀座からほど近く。純粋菜食主義の完全ビーガンレストラン「ビーンズ・キッチン」は、豆を中心に使った独自の料理を追求する豆料理専門店だ。
グリーングルメガイド:M-SIZE「自然酵母パン」ほか
食材に合わせたこだわりの酵母たち
「おいしいものを、手に入りやすい価格で」を心掛けるベーカリーM-SIZE。オーナー・光末昌弘さんが趣味ではじめた自然酵母パンづくりが評判を呼び、03年、夫人の典子さんと東京・学芸大学に店をオープンした。
健康
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KIYOの哲学:日本人に最適なダイエットとは?
世はまさにダイエットばやり。同じ惑星には、食べるものがなくて飢えている人々もいるというのに、である。そもそもダイエットというのは健康的な食事のシステムのことを言うのであって、痩せるための方策ではない。
ホリスティックNOW:「やめられない」は、体からのシグナル
なぜかチョコレートやポテトチップスがやめられない」「毎日ビールを飲まないと気が済まない」—。悪いと思っていてもやめられず、ついつい飲み食いして罪悪感に陥るという経験は、だれでも思い当たるのではないだろうか。このように、何か欲しくてたまらない、やめられない状況のことを「Craving(切望、渇望)」と呼ぶが、実はこれ、体が発信している重要なメッセージ。
この「Craving」が起きる代表的な理由と解決策を紹介しよう。
オピニオン
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環境・CSRリレートーク:株式会社東芝 CSR推進室 佐々木智子さん
東芝グループのCSR報告書は、「森の町内会」という名前の付いた、ちょっとユニークな紙を使用しています。「森の町内会」は、環境NPOのオフィス町内会(東京都港区)が推進する、企業と森を結びつける活動。間伐が進まない森が増える中、企業が間伐費用の不足分を負担し、間伐材を用いた紙を使うことで、健全な森林の育成を支援する仕組みです。
私のエコひいき:自動販売機は要らない
先日、自宅にこんな電話がかかってきました。
自動販売機の設置にご協力いただけませんか」—。玄関先の奥行き1メートル程度ある空間に、飲み物の自動販売機を置かせて欲しいというのです。即刻、お断りしました。
日本には今、全国に550万台余の自動販売機が設置されています(日本自動販売機工業会調べ)。もちろん世界有数の「自販機大国」。国内最高峰の山頂にまで自販機が設置されているのは、世界広しと言えども日本ぐらいのものでしょう。
カルチャー
39
もう一つの話題作:「アース」
美しい地球、 最後の映像か
制作5年、撮影日数4500日。BBCが世界25カ国、200カ所以上を渡って自然の映像を記録した「アース」は、ドキュメンタリー映画史上かつてない規模の壮大な映画として誕生した。
後書きの余韻:『社会起業家という仕事ーチェンジメーカーⅡ』
社会を変革する「普通」の人たち
社会問題の解決と利益の向上を目指す「社会起業家」。本書ではその中でも、社会をより良く変革することに重きを置く「チェンジメーカー」たちを紹介しています。
ダイアローグ
田口ランディ連載「エゴからエコへ」:完全犯罪の可能性
十二月も後半になると、そろそろ大掃除の季節。一度に掃除をするのは大変なので、今日はリビング、明日は台所、と段階的に掃除を進めているのだが、毎日、大量のゴミが出る。よくもこれだけゴミが出るものだと感心するほどゴミが出る。
トラベル
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フランスシャトー巡り
ブルゴーニュでワイン三昧
フランスが誇る高級ワインの産地ブルゴーニュ地方。ワイン畑の間をぬうように車を走らせる。到着したサンヌセイ村の中心には堀があり、ここにかつて領主の暮らす城があった。しかし19世紀に破壊され、現在は教会が建っている。
ショップ&グッズ
45
一貨店礼賛:ふろしきや やまとなでしこ
一貨店とは、百貨店の対極にあり、独自のこだわりから一つの分野において圧倒的な品揃えで勝負する、商いの形
包む、結ぶ、敷く 伝統の技 息づく
「ふろしきや やまとなでしこ」は江戸情緒が残る東京・神楽坂にある。45㌢四方の「小ぶろしき」から、布団も包める230㌢四方の「大ふろしき」まで、素材も正絹、レーヨン、綿と幅広い。その数、実に約300種類。こう書くと老舗のようだが、07年10月にオープンしたばかりの新しい店である。
デザイン・コンシャス:ヴォルタイク太陽光発電バックパック
バックパックが背中で「発電」
「ヴォルタイク(Voltaic)太陽光発電バックパック」は、太陽光パネルとリチウムイオン電池を装着し、4W(ピーク時)の発電ができる。価格は31500円と安くないが、エコ意識を高めてくれる、なかなかのツールである。シンプルで黒を基調にしたデザインも秀逸で、男女を問わず使える。