【シンガポール=田嶋麻里江】シンガポール保健省は、3月11日以降、福島第一原子力発電所周辺の屋内待避地域に滞在し、その後帰国した自国民に対し、指定公立病院で被曝に関する医療相談を受けるよう通達した。
医療相談が受けられる病院は、シンガポール総合病院、シンガポール国立大学病院など6カ所の公立病院。病院名は、保健省のホームページでも確認可能。これらの公立病院では、内部被曝用治療薬の準備も整っている。なお医療相談の対象者で、発熱、下痢、吐き気、嘔吐の症状がある場合は、血液検査を含めた精密検査を行う。
すでに、14日、15日の2日間で、日本から帰国したシンガポール人、外国人あわせ10人弱が被曝線量などの検査を希望し、病院を訪れているという。検査結果はいずれも「異常なし」だった。その他シンガポールでは放射能対策として、11日以降に日本から輸出された肉、野菜、果物、魚介類に対し、放射能汚染検査の実施を表明している。(在外ジャーナリスト協会 旧ユナイテッド・フィーチャー・プレス)