第一特集
良いバイオマス悪いバイオマス
4月にバイオガソリンの試験販売が始まり、バイオマス燃料が再び脚光を集めている。地球温暖化へ危機感や、ガソリン高騰が追い風だ。だがバイオマスを画一的に「夢のエネルギー」ととらえるのは危険だ。日本では、まだビジネスとして採算がとれる事業は少ない。一時のブームに終わらせないためには、何が必要なのか。
第二特集
脱・トランス脂肪酸宣言
トランス脂肪酸(Trans fat)――。食品を通じて摂りすぎると健康に深刻な悪影響を及ぼすものであるにもかかわらず、多くの日本人の間では「知らない」「聞いたことはあるけど、私たちには関係ない」といった反応が一般的だろう。しかし世界に目を転じれば、トランス脂肪酸は「できれば排除すべきもの」として、近年様々な形で規制されるようになった「要注意物質」。規制強化と相まって、トランス脂肪酸を含まない代替油に切り換える外食企業の動きも活発化してきた。欧米化が進む私たちの食生活に深く関わる、トランス脂肪酸の現状を知っておきたい。
オルタナ・パーソン
山口絵里子(マザーハウス代表)
フェアトレード改革「バッグ」に託す
「フェアトレードは必ずしもフェアではない」││。バングラデシュの大学院に通うなかで思いが募り、現地のジュートバッグを日本で販売する企業を立ち上げた。アジア女性の地位向上にも熱い情熱を注ぐ。
オルタナティブ・カンパニー
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インターフェイス 「すべての局面で環境を優先」
米インターフェイス社は、商業用カーペットメーカーとして世界一のシェアを誇りながら、経営のあらゆる局面で自然環境に徹底して配慮していることで有名だ。原材料の選択から製造、パッケージングまで、環境保護の視点が最優先される。年商10億?を超す企業としては、米国でも極めて珍しい存在だ。
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池内タオル 「嘘をつかないオーガニック」
日本屈指のタオル産地、愛媛県今治市にある池内タオルは、とにかく「初めて」の多いタオルメーカーだ。業界で初めて、環境マネジメントシステム「ISO14001」を99年に取得。02年には、日本自然エネルギーが発行する「グリーン電力証書」を通じて、自社の使用電力を100%風力発電でまかなう日本初の企業となった。環境に配慮した取り組みで、日本のビジネス界をリードする。
ビジネス・ウェーブ
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「暗闇のレストラン」で何を体験?
明かりのない真っ暗な部屋で食事をする「暗闇レストラン」。不思議な体験ができる目新しさが受けたのか、ヨーロッパをはじめ、米国やオーストラリア、はたまた中国にまでじわじわと広がっている。
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「禅」の精神で清掃サービス
オーガニックブームが日常生活に浸透しつつあるニューヨーク。ニューヨーカーたちは食べ物にこだわるだけでなく、体に優しく、環境にも優しい製品を使う。そんな彼らが注目する清掃サービスが登場した。
マーケティング
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もう一つのブランド論 野球場を「社会貢献装置」
私はいま、株式会社ヤクルト球団で「F-PROJECT」を担当している。2005年11月、古田敦也選手兼任監督が誕生したのを機にスタートしたプロジェクトで、Furuta(古田)、Fan(ファン)、Fun(楽しむ)、Full(満員の球場)という4つのFをキーワードにファンサービスや地域密着などの球団改革を進めるのが目的だ。今年は、新たな「F」としてFriends(友だち)を追加した。
ブランドのABC 社内を動かすためには
筆者は2年前、『ブランドのDNA〜ブランド戦略 9つのウソとホント』(日経BP社、片平秀貴氏と共著)で、「企業のブランドづくりには『ブランド室』が不可欠だ」という考え方は誤りだとし、次のように書いた。
ニューススクランブル
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サンフランシスコ市がレジ袋禁止ほか
米サンフランシスコ市で3月末、レジ袋の使用を全面的に禁止する条例案が可決された。スーパーマーケットでは向こう半年以内、ドラッグストアでは1年以内に、レジ袋をリサイクル可能な紙や、自然界の働きで水と炭酸ガスに分解される無害な生分解プラスチックに切り換えなくてはならない。
フード
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チャオベッラ
オーガニック・イタリアン、野菜たっぷり
東京ミッドタウンや国立新美術館のオープンで一段とにぎわう六本木。けん騒から一歩離れると、自然食材をふんだんに使ったイタリアンベースのオーガニックレストラン「Ciao Bella(チャオベッラ)」にたどり着く。
紅乃屋の「おはぎ」ほか
「無施肥無農薬」栽培、甘さも控えめに
紅乃屋は代表・中岡三嘉さんが30歳で脱サラをして創業した「安全でおいしい」おはぎ店。北海道産の十勝小豆と兵庫県三田産のもち米からつくるおはぎの味つけは、きび砂糖と塩のみ。甘すぎない控えめな味わいが後を引き、何度もおかわりしたくなる。
健康
29
KIYOの哲学 「砂糖を甘く見ないで!」
TVの料理番組や、それなりに名の知れた料理研究家の料理本でも、精製された砂糖(精白糖)が調味料として堂々と登場する。理由は、料理の味をまろやかにするためとか、てりを出すためとか、うま味をつけるためとか。「化学調味料に頼らず砂糖を使いましょう」なんて言う輩までいる。精白糖を摂りすぎると私たちの体の中で何が起きるかを知れば、軽々しくそんなことは言えないはずなのに、である。 精白糖を摂りすぎるとどうなるか—。
私たちは食べ物でできている
前回は、「体」「心」「人や社会、自然など周囲との関係」「自己実現やキャリア」の4つの要素を、私たちの内面やライフスタイルを充実させる「第一の食事」と呼び、それぞれを良い状態に保つことが、バランスの取れた食事以上に大切だという話をした。しかし、ストレスに満ちた現代社会では、「第一の食事」を理想の状態に保つのは至難の業だろう。
そこで、まずは見直して欲しいのが「食べ方」。
エコロジー
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環境・CSRリレートーク 積水化学工業 白鳥和彦さん
ここ数ヶ月ほど、地球温暖化による気候変動の問題がマスコミでも多く取り上げられるようになってきました。環境問題の解決に向けて一人ひとりの意識改革を促すという意味では、企業の役割も大切です。個々の事業内容がいかに環境に良い影響を与えようとしているかを分かりやすくお伝えするように心掛けていますが、そのように考えるようになった原点とも言えるある出来事を今でも思い出します。
私のエコひいき テレワークはエコワーク
一度でも海外で暮らした経験のある方なら思うことの一つに「日本での生活は何かと慌ただしい」というのがあるのではないでしょうか。私もやっぱり感じました。もちろん仕事量自体が少し増えたので仕方ない面もあるんですが、どうもそれだけでは説明がつかない。
そこで考えてみたところ、浮かび上がってきた「犯人」とは─。
ダイアローグ
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田口ランディ連載「エゴからエコへ」
日本の未来は過疎地にあり
日本から風景が失われつつある。開発という名のもとに地域はどんどん画一化し、全国どこでも国道沿いは似たような殺伐とした景色が続く。皮肉なことだが、日本的な風景が残っているのは人がいない過疎地である。能登半島もそんな過疎地域の一つ。いま、能登半島石川県羽咋市でとても面白い試みが行われている。
カルチャー
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音楽「小栗康平」
自然と人間、寡黙な映像で紡ぐ
映画監督・小栗康平は寡作の人だ。1981年、名作『泥の河』で鮮烈なデビューを飾って以来、10年間に1〜2本という寡作を貫き、独自の映像世界を築いてきた。現在まで5本の監督作品を残し、そのいずれもが国際的に高い評価を得ている。
37
映画「六ヶ所村ラプソディー」
原発問題で「中立」はない
これは「日本版『不都合な真実』」と言っても良いほど、私たちが目をそらしてはならない問題を突きつけている。
本「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」
書名は扇情的、論理は冷徹
「あなたが今、協力しているごみの分別や電気をこまめに消すなどという環境にやさしいはずの活動が、日本の環境を逆に汚しているとしたら、どうだろうか。良かれと思ってやっていることが実は反対になり、その犠牲になるのは我々の子供たちだとしたら—」
エコライフ
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関根 勤さん
自然の摂理に逆らわない
持続的な生活とは、人に迷惑をかけないことだと思います。自分一人の力でどれだけ生きていけるかということ。延命処置を拒否する「尊厳死の会」というのがあって、僕も妻も60歳を過ぎたら入ろうと考えています。自分で呼吸できなくなり、自分で食べることができなくなると死ぬのが普通で、人工的に生きるのは自然の摂理に反していると思うのです。
トラベル
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フランスシャトー巡り
借景の畑から上質のワイン
プールサイドのウッドチェアーでくつろぎながら、眼下に広がるワイン畑を眺める。手にしているのはガイヤックの大地が育んだ上質のワイン。サレット城が所有する40ヘクタールのワイン畑で生産されたものである。
ショップ・グッズ
43
傘-前原光栄商店
「恵みの雨」と分かってはいても、ついうっとうしく感じてしまう雨の日。でも、この店の傘を雨空に向けてサッと開けば、足取りも軽やかに一日を過ごせそうな気分になってくる。
ストッケのベビーカー
高い目線、人体に無害の材料
これがベビーカーかと目を疑ってしまう。まるで宇宙映画に出てくるようなデザイン。赤ちゃんが非常に高い位置で、ママを間近に見て安心できる。