第一特集
良心が経営を変えた
環境・健康・社会貢献--他とは違う51社
いまや環境問題に取り組まないと公言する企業は存在しない。社会貢献とは無縁の企業も珍しい。それだけ企業の意識は高まってきた。だが、同業他社もやってるからとか、世の中の流れだから――という風潮が多いのも事実だ。ここで紹介する日米欧の51社は、何が違うのか。
第二特集
それでも増えるGMO
遺伝子組み換え(GMO)食品が日本の市場に登場してはや10年。その危険性については、以前に比べれば消費者に浸透してきた感があるものの、実際には大量のGMOが知らず知らずのうちに私たちの口に入ってきている。このままで良いのだろうか。
オルタナ・パーソン
イヴォン・シュイナード(米パタゴニア創業者)
社員をサーフィンに行かせる本当の理由
売上高の1%を地球環境保全のために寄付するなど、環境経営で知られる米パタゴニア社。その創業者、イヴォン・シュイナード氏が自伝的経営書を日本でも出版した。そのタイトルは「社員をサーフィンに行かせよう」。一見、環境とはあまり関係がないようにも思えるが、実はイヴォン独特の経営理念を映した、奥が深いフレーズなのである。
ビジネス・ウェーブ
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アメリカでも「地産地消」に脚光
地元の生産物を地元で消費する「地産地消」。輸送コストの抑制、地域経済の活性化、さらに食材の鮮度保持という大きなおまけがつく。一石三鳥の手法をカリフォルニア流にビジネス化した企業が現われた。
17
「オーガニック」が家具にも浸透
世界を覆うオーガニックブームは、服や食品のみならず、住居の世界にも押し寄せてきた。ボストン発、自然素材を使用した「オーガニック家具」が、静かに浸透し始めている。
マーケティング
19
もう一つのブランド論 フィランソロピーは静脈産業
林雄二郎さんは「情報化社会」という言葉を1969年に提唱した人であり、トヨタ財団の専務理事、日本フィランソロピー協会の会長などを経歴され、企業の社会貢献をダイナミックに推進された方である。
ブランドのABC 「横並び」ではブランドはつくれない
誤解を恐れずに書くと、環境志向やCSR(企業の社会責任)は企業のブランドづくりにマイナスである。それは、ブランドづくりでは「同業他社とは一線を画す、その企業ならではの方向性」が必要だからだ。メルセデス・ベンツが高級車のポジションを獲得できたのも、ルイ・ヴィトンが女性の心をとらえ続けるのも、他のクルマやバッグにはない性能や魅力があるからだ。
ニューススクランブル
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天ぷら油で街おこし!ほか
NPO法人地球環境融合センター(東京・千代田区)は、「安価で環境に優しい」天ぷら油の再精製プラントの普及活動を始める。従来のプラントが油処理の過程で大量の水を使うのに対し、活性白土を使うため水を全く使わないほか、再生コストも従来の4分の1程度の1㍑20円で済む。すでに地方都市から引き合いが来ており、初年度は20案件程度の成約を目指す。
フード
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カフェテリア 結(ゆい)紀伊國屋
芸術大学プロデュースの「地産地消」レストラン
琵琶湖の西に広がる丘の中腹。湖面を見おろす敷地のもっとも見晴らしのよい場所に、芸術系大学である成安造形大学がプロデュースした地元産食材によるレストラン「カフェテリア結(ゆい)紀伊國屋」はある。
ターンムファーム「メローハバネロ」ほか
無農薬・無化学肥料の国産ハバネロチリソース
兵庫県の丹波篠山で農園「ターンムハバネロ」を営む近藤卓さんは、自然と辛いものが大好き。友人がくれたハバネロの実1粒を大切に育てて増やした。「ハバネロ本来のフルーツのような味と奥行きのあるコクを味わってほしい」とブレンドを研究。ハバネロのほか、カラダにやさしい材料(トマト、タマネギ、米酢、マンゴー、ニンニク、塩、ウコン)で手づくりしている。
健康
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KIYOの哲学 「日本のエンゲル係数は低すぎる」
この10年、日本の物価水準はずいぶん下がった感がある。グローバル化が進み、工業製品は、工場の海外移転や安価な資材調達で価格が下落した。農産物など食の世界でも同じことが起きた。海外からの安価な食材調達が増え、価格も大きく下がった。だが、工業製品と農産物・食材を同じように扱ってはならない。
第一の食事は「暮らし方」
最近、日本でもよく聞く「ホリスティック・ヘルス(Holistic Health)」という言葉。
健康を「部分」ではなく、「全体」として捉える考え方だが、日本語で「全体的な健康」などと訳されると今ひとつピンとこない。しかし、その語源をたどってみると、私たちが知った気でいる「健康」の本質がじわじわと迫ってくる。
オピニオン
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環境・CSRリレートーク
三菱地所株式会社 CSR推進部副長 浜谷英一さん
入社以来、設計監理部門でニュータウンの宅地造成や都市土木等に関する仕事を一貫してやってきた私は、2001年に環境と社会貢献を担当する部署に配属となりました。ISO14001審査員の資格取得を含め、社内向けの環境研修や毎年6月5日の環境の日に合わせた社内啓発行事の企画などを手掛けてきましたが、最近力を入れて取り組んでいるのは、地元千代田区の中学校の総合学習の一環で行なわれている環境教育への協力です。
私のエコひいき 大賛成!レジ袋有料化
3年ぶりに日本に戻ってきて約半年。変わったなあと思うことは色々あるんですが、とりわけマイバックの広がりには驚きましたね。布製のバックに買ったものを入れて持ち歩いている人、結構見かけませんか。我が家の近所のスーパーもそうですが、レジ袋を断った人にお買い物ポイントを追加してくれるスーパーも増えてきました。小売業にレジ袋の削減義務が課せられる4月の容器包装リサイクル法の改正を前に、有料化に踏み切るスーパーも出てきましたね。もう、大賛成です!
ダイアローグ
35
田口ランディ連載「エゴからエコへ」
屋久島のエゴガイド
一九九五年に初めて屋久島を訪れて、私の人生はずいぶん変わったと思う。
その経緯は自著の「ひかりのあめふる島屋久島」(幻冬舎文庫)に詳しく書いているけれど、島から戻っていきなり会社を辞めてしまった。言わば、人生にリセットをかけたのだ。
カルチャー
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音楽「ジム・オルーク」
即興ギタリスト、日本を揺さぶる
アバンギャルド・ジャズに映画音楽、ポストロック(90年代に出現したサウンド・エフェクト等に大胆に取り入れた新機軸のロック)。現代音楽と、ジャンルを越境し旺盛な活動を続ける米国人ギタリスト、ジム・オルーク。この、希代のギター奏者/サウンド・クリエイターが昨年来活動の拠点を日本に移し、多くの刺激に満ちたコラボレーションが実現している。
映画「ジーザス・キャンプ」
強調と誇張の狭間に漂う映像
福音主義プロテスタントの子供を対象にしたサマー・キャンプ、キッズ・オン・ファイアーを中心に、米国福音主義家庭の実像、ブッシュ政権と宗教の関わりなどに言及した問題作。小学生を対象に2005年ノース・ダコタ州で行われたキャンプで、聖霊降臨説に重きをおくペンテコステ派のベッキー・フィッシャー牧師が熱弁を振るう。
37
本「京都議定書は実現できるのか CO2規制社会のゆくえ」「環境問題の杞憂」
「地球温暖化」を巡る悲観と楽観
気候変動枠組み条約の京都会議(97年)で決められた国際協定、いわゆる「京都議定書」は、地球温暖化を防ぐために温室効果ガスを基準年比で2008—12年の間に削減する、と決めたものだ。
トラベル
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フランスシャトー巡り
ユーゴーを虜にした魅惑の城
フランスの北西部、ブルターニュ地方にあるシャトーホテル・バリュー城。あたりは見渡すかぎり、ゆるやかな傾斜のある田園が広がっている。この城は17世紀前半に建造されたもの。季節の花々が咲く中庭を取り囲むようにして両翼が前にせり出している。
ショップ・グッズ
43
かなや刷子(ぶらし)店
洗顔、カラダ洗い、毛玉取り。お化粧、歯磨きに、肩たたき。さらには衣服のシミ抜き、ペンキ塗り、料理、ペットの毛すきまで。かなや刷子(ぶらし)は、店中に所狭しと並べられた多彩なブラシの数々で道往く人々の目を惹きつける。その数、およそ500品目。ブラシ一筋93年。大正3年の創業以来、浅草に深く根をおろす老舗ブラシ専門店だ。
ジョルジョ・フェドン メガネケース
驚く薄さ、本革のような感触
初めて手に取った時、感動を覚えた。まず、その薄さと軽さ。厚みはわずか25㍉。重さ約130㌘。背広の内ポケットにすっと入ってしまう眼鏡ケースなど今まで見たことがない。大きめの眼鏡も難なく受け入れてくれる。