東日本大震災で事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所の1号機で8日、原子炉格納容器内の放射線値が前日の3倍を超す毎時100シーベルトに急上昇した。国の原子力安全・保安院は当日夜の記者会見で「計器故障の可能性がある」と説明したが、原因は不明だ。
1号機の格納容器内では燃料棒と冷却水が反応するなどして発生した水素や酸素が充満しており、3月12日に続いて水素爆発が生じる恐れがあった。このために6日からは格納容器内に窒素を注入する作業が進められている。放射線の上昇はこの作業によるものだとする見方の一方、燃料棒の破損が70%に達する原子炉内で再臨界が始まっているのではとの懸念も存在する。
放射線値が事実なら、人間が即死するレベルの極めて強い放射線が生じていることになり、現場での復旧作業にも影響を及ぼしかねない。(オルタナ編集部=斉藤円華)2011年4月8日