経済産業省原子力安全・保安院は12日午前の記者会見で、東京電力福島第一原子力発電所事故について、原子力事故の深刻さを表す評価尺度(INES)に基く暫定評価を従来のレベル5から最も深刻な「レベル7」に引き上げた。これにより、福島原発事故は旧ソ連で1986年に発生したチェルノブイリ原発事故に並ぶ最悪の原子力事故となった。
東日本大震災に伴い事故が発生した3月11日以降、福島第一原発1~3号機から放出された放射性物質の総量が37~63万テラベクレル(テラは兆を示す単位)に達し、レベル7の判断尺度となる数テラベクレル以上の放出を上回ったと推計されるため。
同院では「放出量はチェルノブイリ事故(520万テラベクレル)の1割程度」と説明するが、現在も1時間当たり1テラベクレル以下の放出が続く。また1号機では再臨界の危険性も指摘されており「チェルノブイリ越え」の恐れは払拭できない。(オルタナ編集部=斉藤円華)2011年4月12日