東京の六本木で開催された「緊急農家サミット」に、東日本大震災で被災した岩手、宮城、茨城を始め、栃木、新潟の農家、畜産家が集まった。ほかにも、宮城、福島の農家がスカイプで参加した。主催は、都会で働く農家の若者を実家に帰す支援をしている「NPO法人農家のこせがれネットワーク」。場所は、農家と出会えるレストランをコンセプトとする「六本木農園」だ。
大震災での被災後、さらに福島第一原発の風評被害を理由に卸値を下げられたなどという現状報告に続き、これからは「農家」と「消費者」が密接に繋がり、安心できる農産物を安価で買うことができる関係を作ることが大切という意見で一致した。新潟の休耕地を有効利用できないかという提案もあった。
約130人の参加者のなかからは「放射能値が多少高くても輸入野菜の農薬のほうが心配」と、これからも国産野菜を食べたいという意見があった。
仙台空港の近くで被災した家族経営の養豚農家「ありが豚」からは高橋兄妹が参加した。約2000頭の豚のうち残されたのはわずか90頭だった。1億5000万円が必要な再建を一度は諦めたが復活を決意したという。サミットの最後には、主催側から「ありが豚」サポーター募集の提案もあった。大震災からちょうど1カ月後、生後4カ月の子豚の生存が確認されたという。(たかせ藍沙)