原発風評被害 水俣病の教訓を生かせ

水俣湾のひろがる親水護岸にある水俣病慰霊の碑。慰霊式はここで行われる(撮影 奥田みのり)

原発事故のあった福島県の被災者に対する差別や偏見について、水俣市の宮本勝彰市長は26日、市のホームページに緊急メッセージを発表した。

緊急メッセージでは、水俣病の被害が、健康被害だけでなく、物が売れない、観光客が来ない、就職や結婚に支障をきたしたことに言及。そのうえで、福島県からの避難者への差別・偏見について、「放射能は確かに怖いもの」「しかし、事実に基づかない偏見差別、非難中傷は、人としてもっと怖く悲しい行動」と語っている。

「水俣病のこれまでの経験と重なり合う部分が極めて多く、水俣病の教訓を発信している水俣市としましては、今後のことが心配」とし、正しい情報の提供を呼びかけている。また、国内だけでなく、海外においても、日本の製品などに、マイナスの影響を及ぼしていることから、英語でも緊急メッセージを掲載した。

同市には、緊急メッセージに「感銘を受けた」という声も寄せられたという。

今年で、政府の公式確認から55年を迎える水俣病。5月1日に同市では、水俣病犠牲者慰霊式を開催する。水俣病の「教訓」が生かされるのか、私たちが問われている。(オルタナ編集委員=奥田みのり)

~水俣病公式確認から55年目を迎える水俣市からの緊急メッセージ~

http://www.city.minamata.lg.jp/740.htm

An Urgent Message from Minamata City

http://www.city.minamata.lg.jp/741.htm

editor

オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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