原子力安全委員会は3日、東京電力福島第一原発事故にともなう放射性物質の拡散予測データの内、これまで公表してこなかった約5千件についてホームページで公表を始めた。1時間毎のデータをPDFで提供するが、継続的な拡散状況を把握しにくく、公表方法の改善が必要だ。
拡散予測はSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)を使用し、事故が発生した3月11日以降の1時間毎の予測結果をPDFで公表する。ドイツ気象庁(DWD)やフランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)が動画で拡散予測を公表しているのと比較して、はっきりと見劣りする。
ところが日本でも「WSPEEDI」と呼ばれる次世代拡散予測システムを開発中で、旧動燃火災爆発事故(1997年)やJCO事故(99年)での解析実績があるという。2000年の三宅島噴火の時の火山性ガスの拡散予測結果は、動画で見ることができる。東電原発事故でも早急に適用すべきだ。(オルタナ編集部=斉藤円華)2011年5月3日