東京電力は3日、事故を起こし高濃度の汚染水が海に流出した福島第一原子力発電所付近の水深20~30メートルの海底の土砂から、通常の100倍から1千倍もの濃度の放射性セシウムを検出したと発表した。土砂は4月29日採取し、核種分析を行っていた。
土砂の採取は、それぞれ第一原発から北へ約15キロメートル、南へ約20キロメートル離れた地点の沖合3キロメートルで行った。半減期が約30年の放射性セシウム137の濃度は1キログラムあたり1200~1400ベクレルで、通常であれば検出されないか、検出されても2~3ベクレルにとどまるという。
福島原発周辺海域では環境NGOのグリーンピースが海洋調査船による調査許可を日本政府に求めているが、政府は領海内での調査については未だ許可していない。(オルタナ編集部=斉藤円華)2011年5月4日