菅直人首相がTPP(環太平洋経済連携協定)への参加の判断を今年6月に行うとしていた問題で、政府は17日、判断時期の先送りを決めた。同日午前に開いた閣議で「政策推進指針」を閣議決定し、東日本大震災の影響を踏まえて政策課題の優先順位を変更したため。
同指針の中で、TPP参加に向けた交渉の開始時期については「総合的に検討する」と明記した。政府は今後も情報収集を続ける。玄葉光一郎国家戦略担当大臣は閣議後に「放射能に関わる問題がある中で、輸出強化を簡単にできない状態だ」と語った。
TPPへの参加をめぐっては政府内でも意見が分かれ、与謝野馨経済財政担当相は閣議後の会見で「11月には態度を決めないといけない」と話す一方、鹿野道彦農水相は「何カ月(で結論を出す)という話は全然議論されていない」として慎重な立場を示した。(オルタナ編集部=斉藤円華)2011年5月17日