東芝は23日、韓国の風力発電システム企業を傘下に収め、風力発電ビジネスに本格参入することを明らかにした。韓国ユニスン社の転換社債を引き受けることで、1年以内に同社の株式の約3分の1を保有する計画だ。今回引き受ける転換社債の額は400億ウォン(約30億円)。
1984年創業のユニスン社は、風車と発電機の間にギアボックスを介さない「ダイレクトドライブ方式」の風力発電機で高い技術を持つとされる。東芝は新規参入に当たり同社と販売提携を結び、積極的に拡販するとしている。
東芝は原子力部門の強化を目的に2006年に米ウェスチングハウス社を買収し、原子力事業を成長分野と位置付けていた。しかし東京電力原発事故で各国の原子力政策が見直しを迫られる中、自然エネルギー分野への注力を余儀なくされたものとみられる。(オルタナ編集部=斉藤円華)2011年5月23日