東京電力は24日朝の記者会見で、福島第一原子力発電所の1号機に続き、2・3号機でもメルトダウン(炉心溶融)を起こしていたことを認めた。メルトダウンの可能性は専門家らによって事故直後から指摘されていたが、同社が事実を認めるまでには2か月以上の時間を要した。
東日本大震災の発生からメルトダウンに至った時間は、2号機が約101時間後の3月15日夜、3号機が同じく約60時間後の3月14日早朝。燃料棒の溶融で大量の水素が発生し、同日午前11時には3号機建屋が水素爆発、翌15日午前6時には2号機でも圧力抑制室付近で水素爆発が発生している。
首都圏では3月15日前後に大気中の放射性物質の濃度が大きく上昇した。政府と東京電力は、メルトダウンにともなう放射性物質の拡散の危険性を結果的に予見できなかったことになる。(オルタナ編集部=斉藤円華)2011年5月24日