経済産業省原子力安全・保安院は6日、東京電力福島第一原子力発電所の1~3号機でメルトダウンが起きていたとする独自の解析結果を公表した。1号機では東京電力の解析より10時間以上も早く炉心溶融に至ったと分析し、同院では「より実態に近い」としている。しかし事故発生から3か月近く経過してからのメルトダウン認定に、ネット上では「遅すぎる」との批判が上がった。
政府と東電がメルトダウンの事実認定を意図的に伏せていた疑いは濃厚だ。政府の緊急災害対策本部が震災当日の3月11日深夜に発表した文書では、福島第一原発2号機で22時20分頃から炉心損傷が始まるとの予測結果を記載。政府と東電が事故発生直後から炉心状況をある程度把握していたことが伺える。翌12日には同院の中村幸一郎審議官が記者会見で「炉心溶融が進んでいる可能性がある」と発言したが、同日夜に更迭された。(オルタナ編集部=斉藤円華)2011年6月6日