東日本大震災の被災地の子どもたちを対象にしたアンケート調査で、約9割の子どもたちが「復興に向けた町づくりに参加したい」と考えていることがわかった。子ども支援の国際NGOセーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ、東京・千代田)が、宮城県石巻市や岩手県陸前高田市ら5 地域の小中学校、高校の計89 校で調査し、1万1000人の回答を得た。
「大人は色々な事で、大変だと思うから、子どもを中心とした、元気を、町の地域の人達にとどける取り組みがしたい」(中1 男)〔ママ〕
SCJが実施した「子どもの参加に関する意識調査」では、「あなたは自分の町のために、何かしたいと思いますか」という問いに対し、子どもたちの87%が、復興や今後の町づくりに何らかの形で関わりたいと答えている。
具体的には、「ゴミ拾い・そうじ」「ボランティア」「自分にできることなら何でも」という回答が多かった。「自分より幼い児童館の子どもたちの面倒を見たい」と答えた小学5年生の男子や、「市役所の職員になって直接再建に加わりたい」という高校生1年生の男子もいた。
「いいえ」と答えた残り13%の子どもは、「何をすればいいか分からない」「足手まといになりそう」「がれきが危ない」という意見が多かったという。
「自分の町を良くするために、人と話しをしてみたいですか」という問いには、77%が「はい」と答えた。そのうち「総理大臣と話をしたい」という答えが最も多く24%だった。「都会など近い人たちだけでなく、私が住んでいる町の意見も取り入れてほしい」という中学1年生の女子の声もあった。次いで、子ども同士で話をしたいという答えが21%と多かった。
東日本大震災復興計画の議論が進むなか、「新しい町づくり」に向けて、未来を担う子どもたちの声を聞き、同じ土俵で議論することも大切だろう。(オルタナ編集部=吉田広子)