自民党の麻生太郎元首相は26日夜、愛媛県新居浜市内で講演し、原子力発電を太陽光発電で代替した場合に「設備稼働率の違いから電気料金が原発の10倍に跳ね上がる」と主張。「工場は海外へ流出し失業者が増える」として、自然エネルギーの普及に向けた動きをけん制した。
愛媛新聞が27日に伝えた。麻生氏は今国会で自然エネルギー促進法案の成立をめざす菅政権に対しても「政府が変わるたびにエネルギー政策が左右したら大変だ」と批判し、党として原子力発電の推進の立場に変わりがないとの考えを示した。
東京電力福島第一原発事故では、避難などにより多数の失業者が発生しているとみられる。指定区域からの避難者数は政府発表で11万3千人に達し、震災後の福島県内全体での失業者数は、厚生労働省の調べでは6月までの3か月間で4万2775人に上る。(オルタナ編集部=斉藤円華)2011年6月28日